マークアップエンジニアとは?コーダーとの仕事の違いや必要なスキルについても解説!

公開日:2020.08.21

ITエンジニア職種
 

Webサイトの制作に関わる仕事の一つに「マークアップエンジニア」と呼ばれる職種があります。マークアップエンジニアは、HTML、CSS、JavaScriptなどを駆使して、より使いやすいWebサイトになるよう制作をおこなっていきます。

今回は、このマークアップエンジニアの具体的な仕事内容や必要とされるスキル、将来性などを詳しく解説していきます。「ユーザの視点をWeb制作に役立てたい」「指示に沿ってコーディングするだけでなく、提案までおこなってみたい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

マークアップエンジニアとは?

マークアップエンジニアとは、Webサイト制作に関連した職種の一つであり、クライアントが提示した要件をもとにして、より使いやすいWebサイトを作っていくエンジニアのことです。

普段私たちが目にしているWebサイトは、HTMLやCSSなどのマークアップ言語をベースにして作成し、JavaScriptを用いて画面上に動きを付けるのが一般的です。そのため、Webサイトを作成する場合は、HTML・CSS・JavaScriptの3つのスキルや知識を持っておく必要があります。マークアップエンジニアは、これらのスキルを用いながらWebページの実装を担当しているエンジニアを指します。

なお、マークアップエンジニアは、UI(User Interface)(デザインなどの直接目にする情報)やUX(User Experience)(ユーザがWebサイトを通じて得られる体験)、SEO(Search Engine Optimization)(エンジン検索最適化)などを担当する場合もあります。単にコーディングをおこなうだけでなく、Webサイトを包括的に担当するのがマークアップエンジニアといえます。

マークアップエンジニアとコーダーの仕事の違い

マークアップエンジニアはWebサイトを制作する職種であるため、しばしばコーダーと混同されることがあります。しかし、これらの職種は役割が大きく異なります。

コーダーは、デザイナーが出した指示にしたがってコーディングをおこなうのが基本的な業務です。そのため、コーダーの場合はWebサイトを制作する過程でアレンジを加えることなく、指示書どおりに忠実にコーディングをすることが求められます。 デザインどおりにHTMLやCSSを組み立てていくため、多くの場合JavaScriptなどに触ることはなく、HTML・CSSで完結できる部分のみを担当するケースがほとんどです。コーダーとして業務に携わるのであれば、自分の提案を制作に持ち込むことはあまりありません。

一方、マークアップエンジニアはデザイナーの指示どおりにWebサイトを作るのではなく、サイトの目的を正しく理解したうえで、SEO対策やUIなどにも責任を持ちながら、ユーザがより快適にサイトを利用できるように改良していきます。そのため、一般的にはコーダーよりもマークアップエンジニアのほうが上位職として位置付けられることが多いでしょう。

マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアの仕事の違い

フロントエンドエンジニアとは、SPA(Single Page Application)(ページ遷移の必要がないWebサイトの開発手法)などのサイト作成や、サーバサイドJSなども扱えるエンジニアのことです。加えて、CMSの知識やスキルも高いことが多いという特徴もあります。マークアップエンジニアと比較した場合、JavaScriptなどのスキルは、より高いものを求められる傾向にあります。

所属の企業によっては、マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアがほぼ同じ業務を担当していることもありますが、多くの場合、フロントエンドエンジニアのほうが求められるスキルが高い傾向にあります。

マークアップエンジニアに必要なスキルと知識

マークアップエンジニアには、幅広い知識やスキルが求められます。必要とされるスキルと知識について理解し、マークアップエンジニアを目指すための参考にしましょう。

HTML、CSSの知識と実装スキル

HTMLとCSSのスキルはマークアップエンジニアにとって最も重要なものです。最新情報を収集することを習慣化し、知識とスキルを常にアップデートできるように努めましょう。特にCSSは、人によって記述方法に違いが出る部分なので、しっかりキャッチアップしていくことをおすすめします。

JavaScriptの知識と実装スキル

JavaScriptは、現在では使わないWebページはない、といえるほど一般的に使用されています。このJavaScriptの知識と実装スキルもマークアップエンジニアにとって重要なスキルです。

マークアップエンジニアは、デザイナーの指示どおりにコーディングするのではなく、デザイナーやディレクターの設計・指示を考慮したうえで、より高品質なWebサイトの構築を実現する必要があります。そのため、Webページで欠かせないJavaScriptを担当するケースがほとんどです。実践を通してJavaScriptのスキルや知識を身に付けておくことが大切です。

なお最近ではJavaScriptでサーバサイドも開発できるようになっていますが、こちらはフロントエンドエンジニアの領域となります。マークアップエンジニアでここまで求められることはあまりありません。

CMSの知識とスキル

Web制作の現場では、CMS(Contents Management System)(Webサイト・コンテンツなどの構築や管理を簡単におこなうためのシステム)をベースにWebサイトの制作をすることも多くあります。

CMSの知識やスキルなければ対応できないことも増えてきているため、習得しておくことをおすすめします。

コミュニケーションスキル

マークアップエンジニアの仕事は、一人だけで完結できるものではないため、日々のコミュニケーションが重要です。より良いWebサイトを制作していくために、クライアントの意見をしっかりとくみ取りながら、ディレクターやWebデザイナーなどほかのスタッフとも積極的に意見を交換していくことが大切です。

円滑なコミュニケーションをおこない、チーム内で良好な関係を築くためにも、日頃からコミュニケーションスキルを磨いておく必要があります。

マークアップエンジニアのキャリアパス

マークアップエンジニアの一般的なキャリアパスとしては、大きく2つあります。一つはJavaScriptのスキルを強化してフロントエンドエンジニアになるパターン。もう一つはデザイン面を強化してWebデザイナーになるパターンです。

フロントエンドエンジニア

CMSの知識やJavaScriptのスキルをアップデートして、フロントエンドエンジニアになるパターンです。フロントエンドエンジニアは、よりプログラミングが求められるパターンが多く、サーバ系の知識も求められます。マークアップエンジニアからのステップアップとしては、まずはJavaScriptを、続いてサーバ系の知識を勉強していくのがよいでしょう。

Webデザイナー

デザインやUI・UXのスキルを強化して、Webデザイナーになるという道もあります。Webデザイナーの業務のうち、HTMLなどのコーディング部分はマークアップエンジニアのスキルで対応できます。そのため、マークアップエンジニアとしてあまり触れることのないデザインのスキルを中心にスキルアップさせましょう。

マークアップエンジニアとして活躍している人の場合でも、それぞれが持つ知識やスキルは大きく異なるのが一般的です。「自分にはコーディングとデザインのどちらが向いているのか」を見極めたうえで、より活躍できる場を考えていきましょう。

マークアップエンジニアの将来性

マークアップエンジニアは現時点ではある程度需要があるとされているものの、30年後には、担当している業務のほとんどがAIに置き換わるのではないかという予測もあります。

一方で、ここ数年はWebサイトを構築する需要がなくなることはないとも考えられます。こうした環境の中で、マークアップエンジニアとして生き残るためには、常にスキルをアップデートしていくことが必要です。

Web業界は変化のスピードが速いので、業務に必要なHTML、CSS、JavaScriptの知識やスキルは特に重点的にスキルアップしていきましょう。また上述の通り、CMSのスキルも求められるようになっています。CMSの内部の仕組みを理解したり、固有のマークアップ方法について把握しておくだけでなく、新たなCMSが登場したらすぐにキャッチアップすることも重要です。

マークアップエンジニアはスキルのアップデートが必要!

マークアップエンジニアは、HTMLやCSSなどの知識やスキルはもちろんのこと、JavaScriptやUI/UX、SEO対策などの知識も持っておくとよいでしょう。また、協力して一つのWebサイトを構築するという職務の性質上、コミュニケーションスキルも必要とされます。

マークアップエンジニアとして活躍し続けるためには、コーダー以上のスキルが不可欠というだけでなく、常にスキルをアップデートしていくことが大切です。時代の変化やクライアントの求めに応じた柔軟な提案がおこなえるよう、スキルアップを続けていきましょう。

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(2020年8月現在)

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