ITエンジニア約1,000名を対象に意識調査を実施
今後エンジニアが高めるべき能力は「コンサルティング力」― 約6割のエンジニアが、技術的スキルのみでは今後生き残れないと回答 ―

2019.12.11

調査リリース

2019年12月11日 東京

人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupのグループ会社で、エンジニア人財サービスを提供する株式会社VSN(本社: 東京都港区、代表取締役社長: 川崎 健一郎)は、ITエンジニアを対象に、「今後、求められる能力や自身の仕事の将来に関する意識調査」を実施し、1,012名から回答を得ました。

調査結果概要

  • 約6割のエンジニアが、技術的スキルだけでは生き残れないという危機感を持っている
    • 「今後、エンジニアは技術的スキルだけで生き残れると思うか」という質問に、半数以上のエンジニアが「生き残れないと思う」と回答した。さらに、エンジニア経験年数で比較すると、年数に比例して危機感を感じる割合が高くなり、若手よりもベテラン層の方が高い危機感を感じていることがわかった。
  • 技術スキル以外に高めるべき能力の第1位は、「課題策を見つけて提案する『コンサルティング力』」 2位は、「システム全体の進捗を統括する『プロジェクトマネジメント力』」
    • 「今後技術スキル以外にどのような能力を高めるべきか」という質問に対し、「課題策を見つけて提案する『コンサルティング力』が最も多く、次に「システム全体の進捗を統括する『プロジェクトマネジメント力』が多かった。
  • 約4割のエンジニアが、自分の仕事が将来的にはAIに代替される脅威を感じている
    • AIに対して脅威を感じているエンジニアの割合は約4割と、全体の半数以下の結果となった。
  • キャリアビジョンを考えているエンジニアは、7割以上
    • 何かしらのキャリアビジョンを考えているエンジニアは約7割。IT領域は、移り変わりのスピードが早く、常にスキルアップを求められるため、キャリアについて考える割合が高い結果になった。
  • 人生100年時代のキャリアビジョン第1位は「他領域でエンジニアとして活躍したい」
    • 人生100年時代のキャリアビジョンについてどのようなビジョンを持っているのか質問したところ、「他領域でエンジニアとして活躍したい」という回答が最も多かった。

今回の調査では、現役エンジニアが今後技術力だけでは生き残れないという高い危機感をもっており、技術力以外に伸ばすべき能力として「自ら課題を見つけ解決策を提案できる『コンサルティング力』」が必要であると感じていることがわかりました。今後、ITエンジニアに対し、高い技術力はもとより、課題解決に導く高度なコンサルティング力が求められるようになり、弊社ではこの傾向が一層強くなると予想しています。

VSNでは、技術力と高いコンサルティング力とを兼ね備えたエンジニアである『バリューチェーン・イノベーター』※1を育成し、課題解決サービスを企業へ提供しています。技術力だけではなく、組織内の課題を広い視野で検出し、現場視点でのソリューションを提供することで、新規事業や施策を計画・実施し、企業の生産性の向上や事業拡大に寄与しています。

  • ※1
    エンジニアが派遣先で技術提供を行うだけでなく、その過程で顧客のビジネスにおける課題を見つけ出し、顧客とともに改善に取り組むことで、企業価値の向上とビジネスの革新を推進するVSN独自のサービス

調査結果詳細

1. 約6割のエンジニアが、技術的スキルだけでは生き残れない危機感を持っている

「今後、エンジニアは技術的スキルだけで生き残れると思うか」という質問をしたところ、「生き残れる」と回答したエンジニアは20.8%にとどまり、55.9%のエンジニアが「生き残れないと思う」と回答しました。約6割のエンジニアが今後は、技術力だけでは生き残れないという危機感をもっていることが分かりました。
た、エンジニア経験年数でみると、1年から5年の経験年数の層では「生き残れない」の回答が43.6%に対し、31年以上の経験者は60.3%と経験年数に比例して危機感が高くなっているという結果になりました。

(図1)Q.今後、エンジニアは技術的スキルだけで生き残れると思いますか?(単一回答 n=1,012) A.「はい」20.8%「いいえ」55.9%「わからない」23.3%
(図2)Q.今後、エンジニアは技術的スキルだけで生き残れると思いますか?(経験年数別)(単一回答 n=1,012) A.【31年以上】「生き残れる」15.3%「生き残れない」60.3%「分からない」24.4%【26-30年】「生き残れる」12.3%「生き残れない」61.3%「分からない」26.4%【21-25年】「生き残れる」17.5%「生き残れない」57.8%「分からない」24.7%【16-20年】「生き残れる」19.9%「生き残れない」56.7%「分からない」23.4%【11-15年】「生き残れる」22.5%「生き残れない」49.5%「分からない」27.9%【6-10年】「生き残れる」30.5%「生き残れない」53.1%「分からない」16.4%【1-5年】「生き残れる」39.4%「生き残れない」43.6%「分からない」17.0%

2. 技術スキル以外に必要な能力、第1位「課題策を見つけて提案する『コンサルティング力』」

前問で、「技術的スキルだけでは生き残れない」と回答した566名を対象に、「今後技術スキル以外にどのような能力を高めるべきか」という質問をしたところ、「自ら課題を見つけ解決策を提案できる『コンサルティング力』(29.9%)が最も多く、次に「システム全体の進捗を統括する『プロジェクトマネジメント力』(19.3%)、「プロジェクトやチームをリードする『ファシリテーション力』」(14.8%)の順に多い結果になり、『コンサルティング力』の向上の必要性を感じているエンジニアが多いことが分かりました。

(図3)Q.今後、技術的スキル以外にどのような能力を高めるべきだと考えていますか?(単一回答 n=566) A.「自ら課題を見つけ解決策を提案できる(コンサルティング力)」29.9%「システム全体の進捗を統括する(プロジェクトマネジメント力)」19.3%「プロジェクトやチームをリードする(ファシリテーション力)」14.8%「自らクライアントと(価格交渉などの)ビジネスの調整を行う(交渉力)」14.0%「チームや部下の力を引き出す(人財育成、マネジメント力)」12.0%「その他」2.7%「分からない」7.4%

3. 約4割のエンジニアが、自分の仕事が将来的にはAIに代替される脅威を感じている

「現在の仕事が、将来的にはAIに代替されると脅威を感じているか」という質問に対し、「脅威を感じている」と回答したエンジニアが36.3%、一方で「脅威を感じていない」という回答は63.7%という結果になり、多数のエンジニアはAIの進展が自分の仕事に影響するとまでは考えていないことが分かりました。

(図4)Q.現在の仕事が、将来的にはAIに代替されると脅威を感じていますか?(単一回答 n=1,012) A.「はい」36.3%「いいえ」63.7%

4. キャリアビジョンを考えているエンジニアは、7割以上

「これまでにキャリアパスを考えてきましたか」という質問に対し、「考えている」と回答した人が70.3%と、大多数のエンジニアが自身のキャリアの方向性について考えているということが分かりました。新しい技術の台頭やテクノロジーの進展スピードが早く、常に専門性を高める必要がある職種だけに、自身のキャリアに対して高い関心を持つ傾向にあるという結果になりました。

(図5)Q.これまでキャリアパスを考えてきましたか?(単一回答 n=1,012) A.「日々、キャリアについて考えている」18.4%「時々、キャリアについて考えている」34.4%「年に1回、キャリアについて考えることがある」9.6%「2~3年に1回、キャリアについて考えることがある」7.4%「その他」0.5%「特に考えたことがない」29.7%

5. 人生100年時代のキャリアビジョン第1位は「他領域でエンジニアとして活躍したい」

前問で「キャリアパスを考えている」と回答した711名を対象に、「人生100年時代といわれるなか、どのようなキャリアビジョンを持っていますか」という質問をしたところ、「他領域でのエンジニア職に挑戦したい」という回答が26.2%で最も多く、次に「IT関連のコンサルト職」(18.0%)、「エンジニア領域での管理職」(15.3%)の順に多い結果になりました。

(図6)Q.どのようなキャリアビジョンをもっていますか?(単一回答 n=711) A.「現在のスキルを活かして、他の領域でのエンジニア職に挑戦したい」26.2%「エンジニア経験を活かして、ITコンサルタント職に挑戦したい」18.0%「エンジニア領域で管理職になりたい(マネジメントに挑戦したい)」15.3%「全く異なる職種(エンジニア以外)にキャリアチェンジしたい」11.1%「会社に属するのではなく、フリーランスのエンジニアに挑戦したい」8.7%「起業にちょうせんしたい」7.6%「その他」0.7%「具体的なキャリアビジョンを持っていない」12.4%

調査概要

調査方法 インターネット調査
調査地域 全国
調査期間 2019年10月29日(火)~2019年10月30日(水)
調査対象 20代~50代の正社員エンジニア 男⼥ 計1,012人

株式会社VSNについて

株式会社VSNは、人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの一員で、エンジニア人財サービスを提供しています。全国に4,000名以上の正社員エンジニアを擁し、取引先企業へ対して高い技術力と幅広い経験を生かし、課題解決に貢献しています。また、VSNエンジニアが経営と現場、両方の視点からお客様の本質的な事業課題を解決する独自サービスである「バリューチェーン・イノベーター」により、企業の生産性向上を支援しています。
2020年7月1日付けで、Adecco Groupで技術系人財サービスを展開する「Modis」とブランドを統合し、事業ブランドの名称を「Modis VSN」へ変更します。

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