令和新卒エンジニア、「企業文化や雰囲気」、「成長環境」を他世代よりも重視― 上司に求める能力:新卒・ゆとり世代は「コミュニケーション力」、氷河期・バブル世代は「リーダーシップ」 ―

2020.05.22

調査リリース

2020年5月22日 東京

人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupのグループ会社で、エンジニア人財サービスを提供する株式会社VSN(本社: 東京都港区、代表取締役社長: 川崎 健一郎)は、令和初めての新社会人となる新人エンジニアおよび、ゆとり世代(1987年から2002年生まれ)、氷河期世代(1970年から1984年生まれ)、バブル世代(1965年から1969年生まれ)の各世代のエンジニアを対象に「会社選びやキャリアの志向に関する意識調査」を実施しました。

調査結果概要

  • 令和新卒エンジニアは「会社の雰囲気」、「教育や研修」、「成長できる環境」を重視
    • 「会社選びで重視した項目」を質問したところ、令和新卒エンジニアは他の世代と比較すると、「企業文化や会社の雰囲気」、「成長できる環境がある」、「教育や研修に力を入れている」の割合が高いという特徴がみられました。
  • 「令和新卒エンジニアは、「定年まで同じ会社で働きたい」が最も多く安定志向
    • 「エンジニアとしてのキャリアプラン」に関する質問に対して、「定年まで同じ会社で働きたい」と回答した新卒エンジニアが最も多く、安定志向の傾向がみられる結果になりました。
  • 「上司には、「コミュニケーション力」を求める令和新卒・ゆとり世代
    • 上司に求める能力について、新卒エンジニアは「対人関係力(コミュニケーション力)」、「柔軟性」、「コーチング」の順に重視しているという結果になりました。また、バブル世代と氷河期世代は、「リーダーシップ」を選択した人が最も多く、対話型を好む若者とリーダーシップを好むミドルエイジというように、世代により上司に求める能力が異なることがわかりました。
  • 新しい働き方に関心が高い令和新卒
    • 新卒エンジニアは他の世代よりも新しい働き方に対して関心が高く、ワーク・ライフ・バランスを重視し柔軟な働き方を求める傾向があることがわかりました。

アンケート結果への見解

株式会社VSNの執行役員でイノベーション&キャリア開発本部長の前田拓宏は、次のようにコメントしています。
「今回の調査は、実施時期が3月末と新型コロナウイルス感染拡大が高まり、新社会人の入社研修がオンラインで実施される等の影響もあり、上司に求める能力として「コミュニケーション力」をあげる回答が他の世代よりも高い割合で表れていました。通常の対面コミュニケーションでは、会話だけでなく表情、仕草、ボディランゲージなどを通じて、相手の理解具合や集中力を読み取りますが、オンライン研修ではそれらの情報が得にくいため、集中力を維持し講義内容の理解を深めるために、対面以上のコミュニケーションが必要であると考えます。弊社でも研修中は、個人作業に偏らないように、一方的な講義ではなく受講社員に問いかけを行ったり、半日に1回はグループワークでの議論の場を設定するなど、緊張感をもって受講できる工夫を取り入れています。また、講義外の時間に個別面談を行うことで不明点の確認や不安の解消も同時並行で行っています。通信環境が安定している場合は、常時カメラとマイクをONにし受講中の反応を見ながら、行うことも重要です。」

調査結果詳細

1. 会社選びで重視したこと:令和新卒エンジニアは「企業文化や会社の雰囲気」、「教育や研修に力を入れている」、「成長できる環境がある」点を重視

入社時や転職時に「会社選びで重視した項目」について質問したところ、いずれの世代も「給与や処遇」を重視する項目としてあげている点は共通でしたが、令和新卒エンジニアは他の世代と比較すると、「企業文化や会社の雰囲気」、「成長できる環境がある」、「教育や研修に力を入れている」項目の割合が高いという特徴がみられました。
昨今では、企業紹介をYouTube等の動画でPRする企業も多く、こうした情報から「企業文化」や「働く社員の雰囲気」を確認し、イメージのミスマッチを低減させることにも役立っています。教育研修の充実や成長機会を求める等、キャリアパスを広げたい意識が高いこともうかがえました。

(図1)Q.会社選びで重視した項目(複数回答) A.【給与や待遇が良い】「令和新卒」48.0%「ゆとり世代」34.8%「氷河期世代」38.6%「バブル世代」38.8% 【企業文化・会社の雰囲気】「令和新卒」39.2%「ゆとり世代」18.5%「氷河期世代」23.0%「バブル世代」21.9% 【成長できる環境がある】「令和新卒」27.5%「ゆとり世代」17.7%「氷河期世代」25.6%「バブル世代」16.4% 【残業が少ない】「令和新卒」23.5%「ゆとり世代」22.5%「氷河期世代」14.2%「バブル世代」8.7% 【教育・研修に力を入れている】「令和新卒」22.5%「ゆとり世代」16.0%「氷河期世代」8.5%「バブル世代」4.1% 【大手企業・知名度がある】「令和新卒」20.6%「ゆとり世代」25.3%「氷河期世代」17.6%「バブル世代」26.5% 【高い技術力がある】「令和新卒」13.7%「ゆとり世代」17.1%「氷河期世代」19.3%「バブル世代」23.3% 【社会的貢献度が高い】「令和新卒」12.7%「ゆとり世代」11.5%「氷河期世代」13.6%「バブル世代」16.0% 【実力次第で昇格・昇進のチャンスがある】「令和新卒」6.9%「ゆとり世代」8.4%「氷河期世代」13.4%「バブル世代」7.3% 【海外で活躍できる環境がある】「令和新卒」5.9%「ゆとり世代」5.3%「氷河期世代」4.3%「バブル世代」2.7%

2. キャリアプラン:令和新卒エンジニアは、「定年まで同じ会社で働きたい」が最も多く、安定志向

「エンジニアとしてのキャリアプラン」に関する質問に対し、新卒エンジニアで最も多かった回答は「定年まで同じ会社で働きたい」(32.4%)でした。また、「定年まで同じ会社で働きたい」を選択した回答者を世代別にみると、定年間近であるバブル世代が45.2%と最も多く、次いで新卒エンジニアとなっており、安定志向の傾向が表れていました。
また、いずれの世代も「フリーランス」や「起業」への志向は低い割合にとどまりました。

(図2)Q.エンジニアとしてのキャリアプラン(単一回答) A.【定年までずっと同じ会社で働きたい】「令和新卒」32.4%「ゆとり世代」22.2%「氷河期世代」28.7%「バブル世代」45.2% 【いずれは転職(他の会社へ)したい】「令和新卒」19.6%「ゆとり世代」28.1%「氷河期世代」19.0%「バブル世代」12.8% 【いずれはフリーランスになりたい】「令和新卒」6.9%「ゆとり世代」7.9%「氷河期世代」8.0%「バブル世代」6.8% 【いずれは仕事を辞めて家庭に入りたい】「令和新卒」6.9%「ゆとり世代」6.2%「氷河期世代」2.8%「バブル世代」1.8% 【いずれは起業したい】「令和新卒」4.9%「ゆとり世代」11.5%「氷河期世代」14.5%「バブル世代」8.2% 【まだ決めていない】「令和新卒」28.4%「ゆとり世代」23.6%「氷河期世代」26.4%「バブル世代」24.7%

3. 上司に求める能力:「コミュニケーション力」を重視する、新卒・ゆとり世代

「上司に求める仕事上でのスキル」について質問したところ、新卒エンジニアでは「対人関係力(コミュニケーション力)」、「柔軟性」、「コーチング」の順に多い結果になりました。バブル世代と氷河期世代は、「リーダーシップ」を選択した人が最も多く、対話型を好む若者とリーダーシップを発揮してけん引するタイプを好むミドルエイジというように、世代により上司に求める能力が異なることがわかりました。

(図3)Q.上司に求める能力(複数回答) A.【対人関係力(コミュニケーション力)】「令和新卒」51.0%「ゆとり世代」39.0%「氷河期世代」34.9%「バブル世代」34.7% 【柔軟性】「令和新卒」46.1%「ゆとり世代」31.7%「氷河期世代」27.6%「バブル世代」23.3% 【コーチング力】「令和新卒」33.3%「ゆとり世代」24.4%「氷河期世代」21.3%「バブル世代」19.6% 【複雑な課題に対する問題解決力】「令和新卒」26.5%「ゆとり世代」21.9%「氷河期世代」27.8%「バブル世代」32.9% 【リーダーシップ】「令和新卒」23.5%「ゆとり世代」32.3%「氷河期世代」42.6%「バブル世代」43.4% 【論理的思考力】「令和新卒」19.6%「ゆとり世代」17.7%「氷河期世代」21.6%「バブル世代」20.5% 【積極性・主体性】「令和新卒」11.8%「ゆとり世代」14.0%「氷河期世代」12.8%「バブル世代」7.3% 【情報収集力】「令和新卒」8.8%「ゆとり世代」11.5%「氷河期世代」14.5%「バブル世代」14.6% 【創造力】「令和新卒」4.9%「ゆとり世代」10.1%「氷河期世代」4.8%「バブル世代」7.3% 【チャレンジ精神】「令和新卒」2.9%「ゆとり世代」7.6%「氷河期世代」10.2%「バブル世代」7.8% 【特にない/わからない】「令和新卒」8.8%「ゆとり世代」9.3%「氷河期世代」10.8%「バブル世代」10.5%

4. 実践したい働き方への関心:新しい働き方5項目で、令和新卒が1位

新しい働き方のなかで「実践してみたい働き方」について質問したところ、新卒エンジニアは他の世代よりも新しい働き方に対して関心が高く、柔軟な働き方を求める傾向にあることがわかりました。
新卒エンジニアは、「フレックス勤務」、「リモートワーク」、「長期休暇取得」、「リフレッシュしながら(音楽を聴くなど)仕事ができる」、「働く時間が自由に決められる」の項目を選択した割合が最も高く、仕事以外の時間も充実させて多様なライフスタイルを実現したいという志向がうかがえました。

(図4)Q.実践してみたい働き方は?(複数回答) A.【好きな時間に出勤できる(フレックス勤務)】「令和新卒」42.2%「ゆとり世代」27.0%「氷河期世代」32.7%「バブル世代」29.2% 【長期休暇(2週間以上)が年間で取得できる】「令和新卒」38.2%「ゆとり世代」32.3%「氷河期世代」26.4%「バブル世代」29.7% 【職場以外(在宅勤務や好きな場所)で仕事ができる】「令和新卒」35.3%「ゆとり世代」30.3%「氷河期世代」29.5%「バブル世代」32.9% 【リフレッシュしながら(音楽を聴くなど)仕事ができる】「令和新卒」35.3%「ゆとり世代」30.1%「氷河期世代」26.7%「バブル世代」22.8% 【働く時間が自由に決められる(昼休み、休憩等)】「令和新卒」31.4%「ゆとり世代」24.2%「氷河期世代」29.3%「バブル世代」27.9% 【複業ができる(本業以外でも働ける)】「令和新卒」14.7%「ゆとり世代」28.1%「氷河期世代」28.1%「バブル世代」19.2% 【自席がなく職場内で自由に席が選べる(フリーアドレス)】「令和新卒」6.9%「ゆとり世代」11.5%「氷河期世代」8.2%「バブル世代」5.9%

調査概要

調査方法 インターネット調査
調査地域 全国
調査期間 2020年3月25日(水)~2020年3月30日(月)
調査対象
  • 1.
    新卒(2020年4月に新社会人)のエンジニア:102名
  • 2.
    ゆとり世代(1987年から2002年生まれ)のエンジニア:356名
  • 3.
    氷河期世代(1970年から1984年生まれ)のエンジニア:352名
  • 4.
    バブル世代(1965年から1969年生まれ)のエンジニア:219名

株式会社VSNについて

株式会社VSNは、人財サービスのグローバルリーダーであるAdecco Groupの一員で、エンジニア人財サービスを提供しています。全国に4,000名以上の正社員エンジニアを擁し、取引先企業へ対して高い技術力と幅広い経験を生かし、課題解決に貢献しています。また、VSNエンジニアが経営と現場、両方の視点からお客様の本質的な事業課題を解決する独自サービスである「バリューチェーン・イノベーター」により、企業の生産性向上を支援しています。
2020年7月1日付けで、Adecco Groupで技術系人財サービスを展開する「Modis」とブランドを統合し、事業ブランドの名称を「Modis VSN」へ変更します。

AKKODiSコンサルティングに関するお問い合わせ