C#の資格とは?難易度や試験範囲について紹介

公開日:2020.06.24

スキルアップ
 

C#は、コンパイル言語としても、インタプリタ言語としても動作が可能な汎用性の高い言語ですが、この高い汎用性を引き出すには相応の知識が必要になります。そこでおすすめなのが資格取得です。資格取得を通じて幅広く体系的にC#を学ぶことができるため、C#の言語としての能力をより引き出すことができるようになります。

ここでは、C#エンジニアとして取得しておくべきおすすめの資格や、C#エンジニアがキャリアアップのために取得しておきたい資格などを、取得難易度や試験範囲と併せて紹介していきます。

C#の資格がオススメである理由

C系言語(C言語、C++)に属するC#は、汎用性と信頼性が高く、さまざまな場面で使用されています。Windowsはもちろん、iOSやAndroidなどのアプリの開発も可能で、業務用アプリからWEBアプリ、AR/VRの開発まで幅広く用いられています。

このように、C#はさまざまなものを作ることが可能ですが、その一方で機能が多く、使いこなすためには幅広い知識が必要になります。

そんなC#を使いこなせるようになるためには、C#の資格取得がおすすめです。もちろん開発業務でC#を使っていれば一定の知識を身につけることはできますが、それだけだと限られた範囲の知識しか得られない場合があります。

資格勉強をすることで、「実はこういう実装方法があった!」、「こういう機能があった!」といった、今まで知らなかった知識や方法に出会える可能性があります。汎用性が高く、さまざまな方法で実装できるC#だからこそ、資格による体系的な知識の習得が重要になってくるのです。

C#でメジャーな資格試験とは?

では、C#エンジニアはどのような資格試験を受けるべきでしょうか。マイクロソフト社が認定しているC#の試験は、2020年現在は「70-483 Programming in C#」のひとつしかないため、こちらを受けることが最初のステップとなります。

過去にはC#エンジニア向け資格として、「70-484 C#を使用したWindowsストアアプリ開発の基本」や「70-485 C#を使用した高度なWindowsストアアプリ開発」などもありましたが廃止されています。

なお、マイクロソフトの認定資格は試験に必要な学習資料や環境構築、講座などの試験対策がすべてマイクロソフトから提供されているため、資格試験に際してまずはマイクロソフトの無料のオンライン講座を視聴し、演習テストを行うことをおすすめします。

70-483 Programming in C#

70-483 Programming in C#は、C#でのプログラミングの基礎能力を認定する資格です。受験対象は最低1年間、C#を使用したハードウェア・ソフトウェアプラットフォームで、各種アプリのプログラミング経験がある初級から中級のエンジニアです。

試験範囲はプログラムフローの管理、型の作成と使用、アプリのデバッグとセキュリティの実装、データアクセスの実装で、出題比重はすべて同等程度です。実務経験に加え、演習テストを行うことで合格率は比較的高い資格です。合格目安は700点とされており、7割の正答で合格となります。

試験は事前予約を行い、オンラインで行われます。そのため常時受験することが可能です。受験料はドル立ての日本円換算になるため、受験時期によって多少の変動がありますが、おおむね2万円強になります。

C#エンジニアのスキルアップにおすすめの資格を紹介

C#エンジニアとしてスキルアップをめざす場合、「70-483 Programming in C#」以外にも取得しておきたいマイクロソフトの認定資格や、国家資格があります。自分がC#を活用してどのような開発に携わりたいのか、キャリアプランをしっかりと考え、必要となる資格を順次取得していくとよいでしょう。

応用情報技術者試験(AP)

ITエンジニアとしての高い技術力と理解力、システム開発に必要である設計や開発に関する知識の保有を認定する国家資格です。システムの設計・開発・運用に関する深い知識や、プロジェクトを推進する立場から予算や行程、品質管理を行える能力、さらに経営戦略・情報戦略の策定に際し、経営者に対して提案を行い、ITから企業活動を支える戦略的目線を保有していることなどが問われます。

試験は年2回、4月と10月に開催され、毎回およそ10万人が受験しています。合格率は22.3%と難関資格に入り、難易度は情報処理技術者試験制度のスキルレベル3に相当します。

C#エンジニアとして、ある程度自信がつき、より高いレベルで業務に携わっていこうとする場合、取得を検討してください。

70-486 Developing ASP.NET MVC Web Applications

ASP.NETを活用し、WEBソリューションを設計・開発している、3年から5年の実務経験がある開発者を対象とした認定資格です。APS.NET MVC(エムブイシー)(Model View Controller=開発パターンの一つ)モデルでのWEBアプリの設計開発だけでなく、Azureを含めた開発と多層環境への展開やWEBアプリの開発ライフサイクルの経験など、踏み込んだ実務経験が必須となります。

出題範囲はアプリケーションアーキテクチャの設計、配置アーキテクチャの構築と設計、ユーザーエクスペリエンスの設計、ユーザーエクスペリエンスの開発、WEBアプリのトラブルシューティングとデバッグ、セキュリティの設計と実装になります。出題比重はUX関連とWEBアプリのトラブルシューティングとデバッグが多めに出題され、他は均等に問われます。

現在多くのWEBアプリで採用されている、MVCパターンが中心となりますが、C#でWEBアプリ開発を多く行う場合、取得を検討してください。

70-740 Installation, Storage, and Compute with Windows Server 2016

Windows Server 2016に関するストレージ管理やアプリのインストール、計算機能の利用などの知識を問う認定資格です。受験にはWindows Serverに関するディスクとボリュームの構成やデータ重複排除、障害回復、ローカルおよびサーバのストレージソリューションの実務経験者レベル以上である必要があります。

また、設問に対する回答能力として、Hyper-V とコンテナーの管理だけでなく、サーバの保守と監視の経験を持ち、サーバ管理者としての実務能力が必要となります。

出題範囲はホストおよびコンピューティング環境にWindowsサーバをインストール、記憶域ソリューションの実装、Hyper-V の実装、Windows コンテナーの実装、高可用性の実装、サーバ環境の保守と監視で、出題比重は高可用性の実装がもっとも重く全体の30%以上を占めます。

C#で開発を行いつつ、Windowsサーバも頻繁に触る、という場合におすすめの資格です。またWindowsサーバ上のアプリ開発を行う際にも役に立ちます。

70-741 Networking with Windows Server 2016

Windows Server 2016で利用可能なネットワークの特性と機能に関連する知識と技術について認定する資格です。受験対象者は高度なネットワーク特性の機能と構成や、Hyper-V(ハイパー-ブイ)、ネットワーク仮想化、ネットワークコントローラーなどのSDN(エスディーエヌ)(Software Defined Networking=ソフトウェアを用いて仮想的なネットワークを構築する技術)ソリューションの導入経験を求められます。

出題範囲はネットワーク管理者としての基本的な知識が中心となります。ドメインネームシステム (DNS) 、DHCPとIPAM(IP Address Management=DHCPサーバでIPの管理を行う)などの実装や、ネットワーク接続やリモートアクセスソリューション、分散ネットワークソリューションの実装など、高度なネットワークインフラの実装です。出題比重はDHCPとIPAMの実装が全体の3割を占めます。

C#で開発を行いながらサーバやネットワークなどのインフラ部分も見ている人におすすめの資格です。またネットワーク系のアプリを開発する際にも役に立ちます。

オラクルマスター

日本オラクル社が認定するデータベース認定試験であり、情報処理に関するベンダー資格の中では高い知名度を持ちます。2003年に制度改定が行われ、現在は日本国外で実施されているOracle Certification Program (OCP)と互換性があります。難易度はBronze、Silver、Gold、Platinumの4段階で、Silver以降の認定でOCPによる認定が自動的に付与され、国際的な資格となります。

オラクル社による試験対策セミナーが開催されているため、受講して試験対策を行うことができます。セミナーの受講によりBronzeの取得は難しくありませんが、Silver以降は実務経験が必要となり、さらにGold、Platinumはオラクル社での実機研修の受講が必要となります。また、Platinumは実技試験の合格も必要となります。

出題範囲はレベルによって異なりますが、データベースの管理・運用のほか、SQLの習熟度が問われます。なお、Bronzeの試験の一部は自宅でオンライン受験が可能です。Silver以降は日本各地のピアソンVUEテストセンターで随時行われます。

データベースの知識は、WEBに限らずアプリ開発のさまざまな場面で必要とされます。特にSilverまでのオラクルマスターは、オラクル製品に限らない汎用的なデータベースの知識も網羅されているため、C#エンジニアに限らず幅広くおすすめできる資格です。

C#の資格を通じてスキルアップをめざそう!

C#はWindowsだけでなく、Linux、Mac、AndroidやiOSなど、さまざまな場面で活躍できる言語です。このC#の開発能力にプラスして、サーバやデータベース、ネットワークに関する資格を取得することで、エンジニアとしてのキャリアを強化することができます。しかし、数が多く受験料も安いものではないため、計画的に取得を進めていく必要があります。

AKKODiSでは、C#の求人案件も豊富にご用意しています。大手案件からVR開発まで幅広い選択肢がありますので、ぜひ検討してみてください。

(2020年6月現在)

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