プログラミングとは?プログラミングを習得して今の仕事や今後のキャリアに活かす方法

公開日:2019.08.01 最終更新日:2021.07.30

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プログラミングとは、コンピューターに人間が意図した処理をするように指示を与える作業のこと。プログラミングについて理解があると、仕事にも役立つ可能性が高く、キャリアプランを立てる上での選択肢も広がります。今回は、プログラミングの基礎知識をはじめ、学習方法やプログラミングを使う仕事について詳しくご紹介します。

プログラミングとは

「プログラム」はコンピューターに実行させるためのいわば「計画表」。この「計画表」を記述することを「プログラミング」と呼び、プログラムの記述方法を「プログラミング言語」と呼びます。

私達が普段何気なく使っているコンピューターは、人間が操作の指示を与えるとその通りに動きますが、それは、プログラムによってコントロールされているから。つまり、人間がコンピューターに指示を与えるために使われる言語が「プログラミング言語」です。

プログラミングの市場について

IT分野の技術発展は、ますます加速しています。

携帯電話だけでなく、ゲームや家電、自動車まであらゆるものがインターネットに接続する社会になり、高速で大容量の通信インフラが必要になってきました。そのため携帯電話の通信システムは既存の3G、4Gから5Gへ移行することが決まっています。

ネットワークインフラが進化するとともに、将来はAI(人工知能)が企業だけでなく一般家庭にも使われるようになり、モノのインターネット化であるIoTの導入も本格的になってくるでしょう。私たちの生活でコンピューターとの関わりが増えるにつれて、コンピューターを操作するためのプログラミングの需要も高まります。

このように、今後IT技術の導入が本格化するにつれて、プログラミングの必要性が高まるのは必須。課題解決力や、本格的に訪れるIT社会に柔軟に対応できる力を養うことを目的に、2020年から小学校におけるプログラミング教育も必修になっています。

プログラミング言語とは

プログラミング言語の種類

私たちが使う言語にも複数あるように、プログラミング言語にもさまざまなものがあります。それぞれに特徴や得意な分野があるため、いくつかの言語を学んでみたり、比較してみたりすると、それぞれの文法や構文の違いがわかるようになります。

代表的なプログラミング言語のうち、いくつかを紹介します。

  • C言語(シー言語)
  • Java(ジャバ)
  • Ruby(ルビー)
  • PHP(ピーエイチピー)
  • Python(パイソン)

C言語

プログラミング言語の基本といわれているのが、C言語。その拡張であるC++はGoogleで使われている主要言語のひとつです。C言語は幅広い分野で使われていること、処理速度が速いことが大きな特徴です。

Javaも使用シェアの高い言語のひとつ。主にAndroidやWebアプリで使用されています。誰もが知っている有名サービスのTwitterや、Evernote、Googleでも使われています。Javaは、プログラミング言語の中では習得が難しいものですが、汎用性が高くOSを選ばないのが特徴です。

Ruby

Rubyは日本人が開発した言語で、主にホームページやWebアプリ開発で使用されています。プログラミング言語の中では比較的分かりやすく、日本語での書籍が多いので、初心者向けの言語といえます。

PHP

フレームワークの数が多く、多様なWebサイトやアプリ開発に使えるのがPHPです。日本でも多く使われている言語であり、PHPを習得できれば幅広い分野の仕事を受けられるようになります。

Google社内で開発する際の標準言語のひとつで、人工知能や機械学習でも使用されるのがPythonです。文法がシンプルなため習得しやすく、人工知能の分野でのシェアが広がっていることから、今後もさらなる需要拡大が期待できます。特に、日本国内だけでなく海外での活躍を視野に入れている人にはおすすめの言語だといえます。

プログラミングを学ぶ意味

プログラミングを今から学ぶ意味は大きく2つあります。

プログラミングの習得が論理的思考力の向上に役立つ

プログラミングは、失敗を繰り返すことが成功につながる、という作業です。いろいろ試し、間違っているとエラーが出ため、論理的に物事を考えて次のやり方を考える習慣が身に付きます。

こうしたプログラミング作業を繰り返し、論理的思考力を鍛えることで、ビジネスに必要なロジカルシンキング(論理的思考)も備わっていきます。

産業構造の変化に対応できる職種

今まで人間が行っていた仕事、例えば、単純なデスクワークや資料整理、データ入力、受付、機械操作などは、今後AIが行えるようになるといわれています。

一方、AIをコントロールしているのはプログラムであり、そのプログラムを作るAIエンジニアやプログラマの仕事は逆に増えると考えられています。人材不足となっている今のうちにプログラミングを習得しておくことで、将来的な産業構造の変化にも対応できるのです。

プログラミングで何ができるのか

プログラミングでできること

プログラミングで作れるものはさまざま。例えば、私たちは普段から情報を得るために、Webサイトを利用していますが、そのWebサイトもプログラミングによって作られています。

この他、AI、スマートフォンアプリ、ゲーム、IoT、業務の自動化で使用するマクロなどもプログラミングによって構築されます。このように、プログラミング言語はパソコン上で動くものの多くの裏側を支えています。

Webサイトとプログラミング言語

では実際プログラミング言語はどういう場面で使われているのでしょうか。ここでは、Webサイトを例に、その構造を見てみましょう。

HTML(エイチティーエムエル)

Webサイトを作るための基礎言語にHTMLがあります。HTMLはWebサイトの骨組みであり、そこにCSSやJavaScript、適切なプログラミング言語を組み合わせることでWebサイトが作られています。

CSS(シーエスエス)

Webページを作るのに必要なCSS は、Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)の略であり、Webページのスタイル(見栄えの部分)を作るのに使用する言語です。HTMLと組み合わせて使うことで、見やすいWebページが作れるようになります。HTMLがWebページの基礎となる構造や意味を定義し、CSSはそれらをスクリーンに表示するときの色やサイズ、レイアウトなどのデザインを指定します。

JavaScript(ジャバスクリプト)

Webページを操作するために欠かせないのが、JavaScript。最も一般的な使われ方は、Webページに動きを付けることですが、他にもアプリや、ゲーム、IoT、AIなどにも利用が可能になっており、今後用途が広がっていく言語として注目をされています。JavaScriptのプログラミングでは、オブジェクト(もの)を組み立てる構成や順番を考慮することで、分かりやすいプログラムを作れるようになるといわれています。

PHP

ここまででアニメーションを含む表示部分が完成しました。あとは必要なデータを流し込むだけです。

この必要なデータの多くはデータベースなどに入っていますので、そこからデータを取り出し、HTMLに渡す作業が必要になります。これをサーバー側で動いているプログラミング言語、PHPが担当します。

PHPは、例えば7月20日に投稿した記事が読みたいという命令を渡すと、7月20日に投稿した記事のタイトルや本文などをデータベースで検索し、該当のデータを送る、といった役割を果たします。これにより、表示するデータ、表示の際の骨格、デザイン、アニメーションがすべてそろい、Webサイトの表示が可能になります。

プログラミングを勉強するには

次に、プログラミングを学習する上での準備と学習方法についてご紹介します。

準備するもの

プログラミングを学ぶためには、パソコンとインターネットに接続できる環境が必須。また、テキストエディタがあると便利です。テキストエディタとはメモ帳アプリのこと。プログラミングを行うための便利な機能が付いていて、無料で利用できるものもあるので自分に合ったものを探してみましょう。

学習方法

プログラミングを習得するためには、自分に合った学習方法を選ぶことが大切です。主な学習方法としては、学習サイト、書籍、勉強会、スクールで学ぶという手段が挙げられます。

学習サイト

プログラミング需要の高まりを受けて、学習サイトの数も増えて内容も充実しています。しかも、最初は無料で始められるサイトも多く、比較的低コストでプログラミングを学べるのも魅力です。自分のペースに合わせて習得できるので、社会人や家事・育児で忙しい人にもおすすめの学習方法です。

書籍

プログラミング習得に関する書籍も多く販売されています。書籍も初心者向けから上級者向けまで、自分のレベルに合わせて選べます。書籍を読むことで、必要な知識をある程度習得することはできるでしょう。

しかし、プログラミングの技術を身に付けるためには、知識だけではなく実際にパソコンに触れてみることが大切。学習サイトやオンライン実行サイトと書籍を組み合わせて学ぶとよいでしょう。

勉強会

プログラミング習得に関する勉強会は各地で開催されています。勉強会と聞くとハードルが高いと感じてしまいますが、初心者向けの勉強会も多く開催されています。

また、エンジニアの講演を聞くセミナーのようなスタイルや、エンジニアとの交流がメインのものまで、勉強会の開催スタイルもさまざまです。

ひとりでプログラミングを勉強していると、分からないことがあったり、挫折したりすることもあるでしょう。そのようなときに、同じプログラミングを学ぶ仲間と出会うことが良い刺激になり、勉強の励みにもなります。自分のレベルや勉強会の内容に合わせて、参加してみたい勉強会を探してみましょう。

スクール

プログラミングを本格的に教わりたいならスクールに通うという選択肢もあります。講義や実践が充実しており、分からない点は講師に質問できるため初心者でも学びやすいのが特徴です。自分でスケジュールを組んで計画的に勉強をするのが苦手な人は、スクールでの習得が向いているでしょう。夜間や土日に開催されているスクールも多く、働きながらプログラミングを習得することも可能です。

初心者がプログラミングを独学する方法

プログラミングは、サイトや書籍などを参考に勉強していく以外に、独学することも可能です。しかし、その場合、不明点が出てきたときの解決策を見つけたり、モチベーションを維持したりするのが難しいという懸念があります。

そこで、ここからはプログラミングを独学する際のポイントについてみていきましょう。

独学する方法

独学で重要なのは2つ、作りたい目標を決めることと、とにかく手を動かすことです。

目標を決める

作りたい目標がないと、どのプログラミング言語を学べばいいのかが定まってきません。また、後述するモチベーション維持にも大きくかかわってきますので、まずは目標を作りましょう。

目標の決め方としては、まずは簡単なもの、そして延長線上に本当にやりたいことがある、の2つを意識してください。例えば、最終的にゲームを作りたい場合、まずは簡単なじゃんけんゲームを作る、といった目標が挙げられます。

手を動かす

とにかく手を動かすこともとても重要です。参考書などを眺めていてもなかなか身につくことができないプログラミングですが、実際手を動かすことで理解の速度がかなり上がります。

先の例でいくと、じゃんけんゲームを作るとなったら、まずはじゃんけんゲームの作り方を公開しているサイトなどを検索し、書いてある通りに手を動かしてプログラミングしてみます。

プログラミングの内容があまり理解できなかったとしても、まずは全部作りきってみて、動くことを確認してみましょう。動作がうまくいかなければ、何かがおかしいので、作ったプログラムを見ながら直していきます。

こういった作業の繰り返しながら、わからない部分を参考書やWebなどで確認することで、より早くプログラミングを習得することが可能です。

独学を続けるコツ

モチベーションを維持するには、目的や目標を明確にすることが重要です。上述の通り、簡単な目標を定め、まずは動くものを作ってみるとよいでしょう。

手元に動くものができると、大きなモチベーションとなります。これをカスタマイズしてより複雑なものを作る、といったことが可能になりますので、まずは簡単な目標を定めてみましょう。

また、Webで開催されている勉強会などに参加するのも手です。同じようなレベルの人たちが集まっている勉強会に参加することで、情報交換ができるだけでなく、刺激がもらえます。

独学でのプログラミングで最大の敵は自分ともいえます。モチベーションをしっかり維持して、コツコツと挑戦していくことが大切です。

初心者が知っておきたいプログラミングの専門用語

プログラミングを学ぶ際によく出てくる専門用語の意味をあらかじめ理解しておくと、学習がよりスムーズになります。使用する言語によっても必要な専門用語は異なりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

仮想マシン

システム開発ではプログラミングした内容を本番環境で稼働させる前に、テスト環境で構築するケースがほとんどです。その際、自分のローカルのパソコンに「仮想」的に開発環境を構築して作業を進めます。物理的なサーバーを用意しないで、アプリケーションを実行するのと同じように仮想的なコンピューターが起動できるため「仮想マシン」と呼ばれています。人によってパソコンのOSやバージョン、ソフトウェアが違っていても仮想マシン用のデータの受け渡しをすれば、同じ開発環境を再現して作業できるようになります。

マージ

プロジェクトによってはITエンジニアが複数アサインされて、ひとつのプログラムを作っていく場合があります。その際、Aさんが書いたプログラムと、Bさんが書いたプログラムを比べて、共通の部分は残したままそれぞれの最新の記述を反映させてひとつのコードに結合します。このことをマージといいます。

ステージング環境

本番公開に向けて、開発したシステムやプログラムを確認するための環境をステージング環境と呼びます。動作が仕様通りになっているかどうか、クライアントやディレクターが確認するために使用します。

このほかにも専門用語がありますが、実際に学習をする中で覚えていきましょう。

プログラミングを使う仕事

前述したように、プログラミングは今後必要とされているスキルですが、プログラミングのできる人材は不足しています。経済産業省が2016年に発表した調査結果によると、すでに2015年の段階で約17万人のIT人材が不足しており、2030年には約59万人の規模まで人材不足が拡大されると予測されています(「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果PDFで開く」より)。

そのため、プログラミングを身に付けていれば、就業先の幅が広がるといえます。また、一般にプログラミングの仕事は時給が高いことも多く、効率良く高収入が得られる傾向にあります。

プログラマ

プログラム言語を用いて、システムやソフトウェアを作成するのが主な仕事です。プログラマとひと口にいっても、ショッピングサイトやデータベース構築、家電や電化製品を制御するプログラムを作成するなど、その仕事は多岐にわたります。

システムエンジニア

システムの設計、開発、テストを行うのが主な仕事です。クライアントのニーズに対応できるようなシステムを設計するスキル、コミュニケーションスキルなど、プログラミングだけでなく幅広いスキルが求められます。

これ以外にもプログラミングを扱う職種はたくさんあります。プログラミングを理解していることでキャリアップを図ることができる職種もあるので、IT・エンジニア系の職種をひと通り理解しておくと良いでしょう。

プログラミングを習得して着実なキャリアアップを

プログラミング言語は、コンピューターを意図した通りに動かすのに必要な言語です。プログラミング言語と聞くと難しそうなイメージが強く、自分には理解できそうにないと感じる人もいるかもしれません。言語によっては文法が難解で習得するのに時間がかかるものもありますが、初心者向けのものからひとつずつ習得していくことで着実にスキルを身に付けていくことができるでしょう。

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今後コンピューターはますます社会に欠かせなくなり、プログラミングの需要は増していくでしょう。プログラミングを習得して、IT社会への対応力を磨くだけでなく、仕事のチャンスを広げてみませんか?

(2021年7月現在)

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