IT・エンジニアってどんな仕事?IT系エンジニアの職種紹介・適性について解説!

公開日:2019.07.09

ITエンジニア職種
 

今もっとも注目を浴びている職種のひとつがIT・エンジニア職種。エンジニアとはどんな職業で、また、具体的にどのような仕事をするのでしょうか?今回は、IT・エンジニアのなかでもとくにIT系の職種とその仕事概要、どんなスキルが求められるのかをご紹介します。

エンジニアとは

はじめに、エンジニアとはどのような職業でしょうか?

身の回りの製品の開発・製作に欠かせないエンジニア

エンジニアとは「工学に関する専門的な技術や知識を使ってモノを生産する人材」のことを指し、日本では技術者とも呼ばれています。現在ではIT技術や建築技術、自動車技術などの産業で多くのエンジニアが働いています。私たちの身の回りにある、自動車や家電製品、パソコン、電子端末、Webサービスなどの開発・製作には、さまざまなエンジニアが関わっているといえます。

エンジニアとして働くためには、所属する企業や、取引先企業が属する業界についての知識、開発する製品についての専門知識やスキルが不可欠です。

例えば、家電機器開発では、マイコンなどハードウェアを動かすための制御系や組み込み系のシステム開発の知識が必要。機械の設計開発であれば、半導体工学や電子デバイスなど電気・電子関連の基本知識や、設計ツールであるCAD(キャド)の習得が重要です。Web系エンジニアでは、JavaやHTMLといったニーズの高いプログラミング言語を使えるかが大切なポイントです。

IT系エンジニアの職種

IT分野は対象領域が広く、ハード機器、ソフトウェア、Webサイトのサービスを扱うため、そこに関わるIT系エンジニアにもいろいろな種類と仕事があります。

システムエンジニア

システムエンジニアは、コンピューターのシステム設計、開発、テストに携わる仕事です。開発の中で「上流工程」と言われる部分を担当ます。具体的には次のような流れで仕事をします。

  1. 1.要件分析・要件定義(クライアントや、ビジネスサイドの担当者がどのようなシステムを望んでいるのかヒアリングを行った後、システムで要望にどれくらい応えられるかを決定、具体的にシステムで何をどこまで実現するのか策定します)
  2. 2.基本設計(要求分析・要件定義で決定したことをもとに、システムを設計します)
  3. 3.詳細設計(基本設計でできたシステムの構成を、どの技術や仕組みで実現するのかを設計します。プログラミングをするための細かな設定を行います)
  4. 4.テスト(実際に作ったプログラミングのシステムが、要求通りに動くかどうかのテストを実施します

仕事内容が幅広いため手広く対応しなければならず、プログラミングのスキルだけでなくコミュニケーション能力や提案力などが必要とされます。

プログラマ

プログラマは、プログラミング言語を使っていろいろなシステムやソフトウエアを作る職種です。システムエンジニアが設計した仕様書をもとにしてプログラミングを行います。プログラムが必要なシステムには、家電や自動車に搭載される電子機器、Webサイト、Webサービス、スマホアプリ、ゲームアプリなどがあります。

また、どのような製品を制作するかによって、必要となるプログラミング言語も異なります。そのため、多くの言語を習得すればするほど、仕事の幅が広がり、様々な開発に携わることができるになります。

インフラエンジニア

ネットワークやサーバーの必要不可欠な基盤を「ITインフラ」と言います。その設計や運用・保守を行うのがインフラエンジニア。

ITインフラに障害が発生すれば、システムを利用するユーザーやシステムを運営している企業に深刻な悪影響を及ぼすため、常に正常で安全なネットワークやサーバー環境を保つ必要があります。毎日の生活の上でネットワークやサーバーのことを意識する人はあまり多くないかもしれません。私たちがインターネットやWebサービスが使える社会生活を支える大切な仕事をインフラエンジニアが担っています。

情報セキュリティエンジニア

情報セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティに特化したエンジニアのこと。仕事内容はセキュリティを考慮したシステムの企画や設計、実装、テスト、運用・保守を行い、システムの不正利用や悪用を未然に防ぎます。近年では、IT化が進み情報セキュリティエンジニアのニーズは高まっています。

エンジニアに求められる「コミュニケーション能力」とは

高い専門性・知識を要求されるエンジニアですが、必要なのはプログラミング言語の知識だけではありません。他の多くの職種と同様、仕事をするうえで、コミュニケーションスキルが求められます。ここでは、どのような場面で必要とされるのか紹介します。

プロジェクト業務を円滑にすすめるマネジメントスキル

製品開発のプロジェクトはチームを組んで業務をすることがほとんどです。その際、しっかりメンバー間でコミュニケーションがとれないと、開発スケジュールや問題点の情報共有ができず業務がスムーズに進まなかったり、最悪の場合は製品の開発・製作の遅延や中止になる恐れがあります。

「情報共有」とは簡単なようですが、実は難しいコミュニケーションスキルのひとつ。「自分が伝えなくてもよい」と思っていることが相手にとっては欠かせない重要である場合もあります。「自分の担当箇所だけだから1日くらい遅れても大丈夫」、と思っていたスケジュールの遅延は、プロジェクト全体でみると1週間の遅延につながってしまうという可能性も。だからこそ、日々のチームへのスケジュール共有は欠かせません。

また、プロジェクトにおいて、立場が上位になればなるほど、プロジェクトメンバーへの「伝え方」には気を遣うことが大切。頼みごとも、言い方ひとつで相手のモチベーションが変わってきます。

クライアントに分かりやすく説明するスキル

自分の所属する企業のシステムを担当するだけでなく、クライアント先に出向して業務にあたったり、システムの部分だけを受注してクライアントの案件を担当することも多いエンジニア職。一緒にプロジェクトに携わるプロジェクトメンバーとだけではなく、クライアントとも円滑にコミュニケーションするスキルが求められます。

多くの場合、そのシステムの要件や仕組みが完成するまでの制作工程は複雑で長期にわたります。そのためクライアント担当者自身や、自社のビジネスサイドの担当者も、ITの要件をきちんと理解しているとは限りません。担当者とエンジニアの間で、双方が「納得している・わかっている」と思っていても、それぞれの言葉の定義や解釈が異なり、完成したシステムやWebサイトが、当初想像していたものと違うものができてしまった、ということも起こります。普段自分が仕事で使っている用語も、普段その専門業務に携わらない相手にとっては、知らなければ理解できない「専門用語」。そのため、専門用語を使わずに、相手の言葉でわかりやすく説明することが大切です。

何が必要とされているのか、を把握し提案するスキル

また、エンジニアには、クライアントや担当者に要件を伝えるスキルに加えて、「そもそもこの業界・この会社にはどのようなシステムが必要か?今求められているシステムは何か?」を自ら把握スキルが、求められます。

前述したように、システム要件や仕組みを完成するまでの工程は複雑で、専門用語が多用されるのがIT・エンジニア領域。そのため、クライアントや担当者自身が、ビジネスにおいて実現したいことを叶えるのに最適なツールやシステムがどんなものなのか、具体的な想像がついていない場合が多くあります。そのため、導入を提案するスキルや、どうしてその要望が出たのか?なぜ必要と感じているのか?をエンジニア自身が把握し、主体的に提案するスキルが求められるのです。

IT系エンジニアになるには

次に、IT系エンジニアになるために必要なことや就業先の選び方や資格についてご紹介します。

プログラミング言語の習得は必要不可欠

未経験からIT系エンジニアを目指すなら、まずは1つのプログラミング言語にひとつ触れてみることから始めましょう。ニーズの高い言語を習得し、実務経験を積めば、その後就業できるチャンスはさらに広がります。ニーズが高い言語には次のようなものがあります。

  1. 1.JavaScript、HTML

    Webサイトの制作やWebアプリ開発によく使われる言語。プログラミング言語の中でも難易度が比較的低く、プログラミング未経験者が一番初めに取り掛かりやすい言語です。

  2. 2.Java

    スマホアプリの開発によく使用される言語です。JavaはIoT(身の回りのモノとインターネットをつなぐ仕組み)と相性が良いことから、近年ニーズが高まっています。

  3. 3.PHP

    Web系のサービス開発・ゲーム開発を中心によく使用されています。日本では約20万人のPHPエンジニアがいるとされており、ニーズが高い言語のひとつです。

  4. 4.Ruby

    主にWebアプリの開発に使われる言語です。Webアプリを効率的に開発できる「Ruby on Rails」というフレームワークがありますので、あわせて学習しておくと良いでしょう。

    このようにいろいろなプログラミング言語があるため、自分が携わりたい職種や業種などでニーズの高い言語を選ぶことが大切です。また、未経験の場合は習得しやすいHTMLやJavaScriptの学習をした後、Java、PHP、Rubyなどを学習すると良いでしょう。

プログラミング言語の学習方法

IT系エンジニアに必須のプログラミング言語の学習方法を3つご紹介します。

  1. 1.学習サイト

    最も、学習を取り組むにあたってハードルが低いのが、プログラミングについて解説した学習サイトを利用して学ぶ方法です。近年では、インターネットの普及が進んだことでさまざまな学習サイトがオープンしています。IT系エンジニアは向き不向きが出やすいものなので、まずは学習サイトで学ぶことから始めてみましょう。

  2. 2.書籍

    プログラミング関連の書籍は、丁寧に解説されている初心者向けのものから難しい内容を取り扱っているものまで、個々のレベルに応じた書籍があります。書籍は一人で自由な時間に学ぶことができますが、分からないことがあっても質問ができません。ある程度プログラミングに理解がある人が、より理解を深めるため書籍を読みながら学習すると良いでしょう。

  3. 3.プログラミングスクール

    プログラミングを学べるスクールがあり、オンライン型と通学型の2種類に分けられます。

    オンライン型

    オンライン型はインターネットを利用して学習する形態のスクールです。授業料が通学型と比べて低価格な上に、好きな時間に好きな場所で学習できるのがメリットです。フルタイムで働いていて、土曜・日曜のスクールへ通うのも難しいという場合でも、帰宅後の時間や余裕のある休日に自分のペースで学習が進められます。ただし、学習スケジュールを自分自身で管理する必要があり、モチベーションの維持が難しいという面もあります。

    通学型

    通学型はその名の通り実際に通学して学習する形態のスクールです。講師から直接教えてもらえるので、分からないところがあった場合は質問することができるため、学習がスムーズにできることが特に初心者の方にとってメリットです。毎回、スクールがある場所まで通学しなければなりませんが、同じ目標を持った仲間と学習できるのでモチベーションが維持しやすいでしょう。

就業先の選び方

せっかくプログラミングスキルを身に付けたあとは、いざ就業。自分の身に着けたスキルが生かせるか、やりたいことを実現できそうな環境かどうかを見極め、自分に合った職種や業種、就業先を選ぶことがポイントです。また、就業先を選ぶときには、次のような点を転職活動や面談の際に、確認しておきましょう。

  1. 1.開発実務に参加できるか

    IT系エンジニアの仕事を求人サイトなどで検索すると、多数の求人情報がヒットします。ただ、ヒットした求人のすべてが開発実務に従事できるとは限りません。プログラマとして働きたいのに、実際はサーバー監視やブログ運用の仕事だったというケースもあります。仕事の内容について、自分の志望と合っているかどうかをしっかり把握しましょう。

  2. 2.教育制度は充実しているか

    教育制度が充実しているかも大切なポイントです。優良会社では、就業前の研修やフォローアップ研修、スキルアップ研修など、細かくサポートしてくれる研修制度が整えられています。IT系エンジニアを成長させる環境が整備されていると、自分自身のやる気につながり、より高いスキルを身に着けることができます。

必要な資格

就職や転職の場合、採用側が短い面接時間のみでIT系エンジニアのスキルを判断するのは難しいこと。そのため、IT系エンジニアに関する資格を持っていると客観的な基礎スキルを事前にアピールすることができます。

IT・エンジニア系職種を志す人が取得を目指したい資格には、国家資格と民間資格の2種類があります。

国家資格

  • 基本情報技術者試験…IT業界で働くときの入門試験として最も有名です。システムエンジニアには必須と言われている資格です。
  • 応用情報技術者試験…基本情報技術者試験のワンランク上に位置している資格です。
  • 情報セキュリティマネジメント試験…ITのセキュリティの知識や技術を証明するための資格です。

民間資格

  • Oracle認定Javaプログラマ…Javaに関係する資格はいくつかありますが、その中で最も有名なのがOracle認定Javaプログラマです。
  • Cisco技術者認定…ネットワークの設計や運用、関連技術などの能力を証明する資格であり、特にネットワークエンジニア業界の中で高評価を得ています。ネットワークエンジニアを志している方はぜひ取得してみましょう。

IT系エンジニアのさまざまな働き方

IT系エンジニアとして働く際には、登録型派遣(有期雇用派遣)、フリーランス、正社員の転職、無期雇用派遣などさまざまな働き方があります。

登録型派遣(有期雇用派遣)として働く

登録型派遣(有期雇用派遣)とは、人材派遣会社と雇用期間を定めた雇用契約を結び、IT系エンジニアを求めている会社に派遣されて働くこと。IT派遣エンジニアとして働くことで、様々な企業で様々なプロジェクトに関わることができ、多くの知識やスキルを身に付けられることが可能です。

フリーランスとして働く

フリーランスは、会社員とは異なり勤務時間が決められていないので、時間に縛られず好きな時間に働くことが可能です。毎日通勤する必要もないため、通勤時間を仕事に充てることができます。パソコン1つあればコードを書くことができるIT系エンジニアに合った働き方といえます。一方、収入が不安定になりがちで将来の設計が立てづらいことや、確定申告書類の作成などの業務が増えてしまうなどの負担も自分自身で対応しなければならないことを留意しましょう。

正社員の転職

正社員として会社に所属しながら、待遇改善や給料アップ、ポジションの向上などを目的として、現職と同じ職種や業種に転職することで、キャリアアップを目指します。ただし、関わることのできるプロジェクトが特定の職種や業種に限られることが多いため、まったく系統が異なる職種や業界へのジョブチェンジをするのは難しいことも。給与やポジションなどの雇用条件のほか、自分のスキルと、転職先が求めるスキルとのマッチングが転職のポイントになるでしょう。

無期雇用派遣として働く

最近では「無期雇用派遣」という働き方が注目を集めています。無期雇用派遣とは期間が決められた登録型派遣(有期雇用派遣)とは違い、派遣会社と「無期」の雇用契約を結び、企業へ派遣されて働く雇用形態のことです。仮に派遣先企業が決まっていない期間があっても、派遣元企業から給与や休業手当などの支給があるため、安定した収入を得ることができます。

今後も注目!IT系エンジニア業界・職種の転職を応援します

登録型派遣から紹介予定派遣、エンジニア正社員(無期雇用派遣)、フリーランスまでひとりひとりのニーズに応じた雇用形態を提供し、IT・エンジニアの就業をサポートしています。また、未経験の方でもIT・エンジニア職種にキャリアチェンジしたい人を就業までサポートするAKKODiS(派遣・紹介予定派遣)のキャリア開発研修プログラム「AKKODiS Academy別ウィンドウで開く」を、無料で提供しています。

今後も、クラウドコンピューティングやビッグデータ解析、AI、IoTなど、IT分野のビジネスはさらに発展していくと予測されています。スキルを磨き、あこがれの企業で今注目の職種で働き、やりがいのあるプロジェクトに関わるチャンスを手に入れてみてはいかがでしょうか?

(2019年7月現在)

AKKODiSコンサルティングに関するお問い合わせ