2019年:エンジニアが派遣として働くメリットは?今、注目の職種は何?

公開日:2019.06.04

ITエンジニア職種
 

近年、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)が、私たちの暮らしや仕事の中でもよく見かけるようになってきました。最新技術を活用したサービスや製品が世に送り出されるようになり、それを開発するエンジニアにも注目が集まっています。

企業は、ビジネスチャンスを逃さないためにできるだけ優秀なエンジニアを確保したいと考え、エンジニアは、高い技術力を持ち経験を積み重ねることで、活躍する場所や働き方の選択肢が広がっている傾向にあります。例えば雇用形態もそのひとつで、正社員という雇用形態に限らず、フリーランス(業務委託)や派遣社員として働くスタイルも定着してきました。今回は、IT・エンジニア派遣で働くメリットや魅力、注目の職種などについてご紹介します。

IT・エンジニア派遣とは

IT・エンジニア派遣とは、派遣会社に登録をして、派遣会社と取り引きのある派遣先企業へ派遣されて就業する雇用形態です。派遣されるエンジニアは派遣会社と雇用契約を結び、「派遣社員」として派遣先企業で仕事をすることになり、給与は派遣会社から支払われます。

派遣会社と派遣先企業との間で労働者派遣契約を結ぶため、エンジニアは派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことはありません。

IT・エンジニア派遣の種類

IT・エンジニア派遣には「有期雇用派遣(登録型派遣)」と「無期雇用派遣」の2種類があり、それぞれ次のように雇用契約に違いがあります。

<有期雇用派遣(登録型派遣)>

有期雇用派遣(登録型派遣)は、有期雇用の派遣社員として派遣会社と期間の定めのある雇用契約を結び、派遣先で就業するという働き方です。派遣期間が終わると雇用契約も終了します。

<無期雇用派遣>

一方、無期雇用派遣は、派遣会社との間に期間を定めない「無期」の雇用契約を結んで、派遣先へ配属される派遣のこと。有期雇用派遣と同様に派遣会社と雇用契約を結んで派遣先企業で就業しますが、期間を定めていないことが大きな特徴です。仮に派遣先での就業期間が終了し、次の派遣先企業が決まっていない期間があっても給与が支払われます。

本コラムでは、IT・エンジニア派遣、とくに「有期雇用派遣(登録型派遣)」が注目される理由について解説します。

需要が高まるエンジニアの市場と業界

エンジニアは、私たちの暮らしや企業活動にとって欠かせないサービスや製品を生み出す職種のひとつです。エンジニア市場と需要の高まり、それに伴う働き方の多様化について見てみましょう。

エンジニアの市場と業界

2019年現在、エンジニアの需要は増加傾向にあると言え、今後もさらに高まっていくことが予測されています。そこには、IT分野に投資を行う企業が増えていることや、情報セキュリティに対するニーズの増大、ビッグデータなどの新しい技術の登場という背景があります。

経済産業省の発表によると、IT人材は2015年時点ですでに約17万人が不足しており、2030年には約41万人から約79万人の人材が足りなくなると予測しています。

派遣社員の時給の上昇

需要の高まりは、派遣社員の賃金の上昇というかたちでも表れています。一般社団法人日本人材派遣協会の調査データから派遣社員の賃金傾向を見てみると、時給の場合の全職種の平均値が1,419円なのに対して、「IT技術・通信系」は経験期間3年未満で1,660円(前年比+62円)、3年以上で1,856円(前年比+41円)と、他職種と比べて高水準となっています。

プロジェクト単位で活躍できるIT・エンジニア派遣

また、エンジニアの中でも派遣という雇用形態は、今のビジネスシーンにマッチしている面があると言えます。

エンジニアが必要となるような業種はプロジェクト単位で事業展開をすることが多く、プロジェクトの計画からローンチまで期間を区切って戦力を確保できるIT・エンジニア派遣は重宝されます。

特にIT業界の場合は日々進化する最新技術や専門分野に強い人材や、さまざまなプロジェクトでの実践経験を持つ人材をアサインできるかが重要な要素となります。プロジェクトに最適な能力を持ったエンジニアを確保することで、プロジェクト成功の確立がより高まるのです。

正社員にこだわらない働き方

こうした動向は、これまで正社員や契約社員を選択してきたエンジニアの間の意識にも変化をもたらしています。AKKODiS(派遣・紹介予定派遣)別ウィンドウで開くの登録者に実施した調査では、「経験したことがある働き方」として正社員が84.2%なのに対して、「今後も希望する働き方」で正社員と回答した人は60.2%、無期雇用契約型派遣を希望する方は50.78%、有期雇用契約型派遣を希望する方は、54.5%でした。エンジニアの需要が増えている状況を背景に、必ずしも正社員にこだわらない働き方を選びたいという傾向も高まっているといえるのではないでしょうか?

エンジニアが必要とされる業界

テクノロジーが著しく進化を遂げる現代では、実に幅広い分野でエンジニアが必要とされています。その中でも特に需要が高まっているのがIoT業界と通信業界です。

IoTとは「Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)」の略語で、私たちが日常で使っているあらゆるものがインターネットにつながるということを意味します。身近なものではスマート家電やApple Watch、AmazonのダッシュボタンなどがIoTにあたります。すでにさまざまな分野で実用化されており、今後はIoT化されていないもののほうが少なくなると予測されています。これにより、IoT分野のエンジニアの需要も高まることが期待されています。

また、通信業界においては第5世代の移動通信規格となる5Gの開通により、関連分野に対応できるエンジニアの需要が高まると考えられます。通信速度の高速化だけではなく、さまざまなものがネットワークにつながることにもなりますので、今まで以上に膨大な数のエンジニアが必要になるでしょう。

IT・エンジニア派遣のメリット

これまでご紹介してきたように、エンジニア人材への需要は今後も増大していくことが予測されます。その中で、IT・エンジニア派遣として働く最大のメリットは、何といっても働き方の自由度が高いことです。仕事内容を選べるのはもちろん、働く場所や就業時間、期間を選んで働くことができるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができます。 またIT・エンジニア派遣では、いろいろな企業や業種で働くことができ、規模やミッションの異なるプロジェクトにかかわることができます。働きながら新しいスキルを習得してのジョブチェンジ、将来的な目標に向かってのキャリアップのための経験を積むこともできます。

IT・エンジニアが派遣として働く主なメリット

IT・エンジニアが派遣として働く主なメリットをまとめると次の通りです。

  • 仕事内容や携わる業種を選べる
  • 自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる
  • 幅広い知識を身につけることができる
  • いろいろなプロジェクトを経験し、実績を積める
  • 多くのチームスタッフなどと関わることで人脈が広がる
  • 未経験でもチャレンジできるケースがある
関連記事:「IT派遣エンジニア」という働き方が魅力的な3つの理由

主要なエンジニアの職種

ひと言でエンジニアといってもその種類はさまざまで、それぞれ業務内容や領域は大きく異なります。また、近年ではAIやブロックチェーンを扱うエンジニアが注目されており、今後、需要も高まっていくことでしょう。

IT・エンジニア派遣の職種には主に次のようなものがあります。

インフラエンジニア

インフラエンジニア別ウィンドウで開くは、サーバやネットワーク設計・構築、さらにリリース後の運用、保守まで行うパターンもあり、業務範囲が広いのが特徴です。業務範囲が広くなりすぎないよう、ネットワークの設計や構築、監視、運用の全般を行う「ネットワークエンジニア」、ネットワークの設計や構築、監視、運用の全般を行う「サーバエンジニア」など専門分野で役割分担をする場合もあります。

Webエンジニア

Webサイトやモバイルサイトにおけるアプリケーションの開発を行います。その対応範囲の広さから、フロントエンド、サーバサイドなど担当領域を分けて業務にあたる場合もあります。

テストエンジニア

システムエンジニア別ウィンドウで開くは、システム開発におけるさまざまなテストを行い、製品やサービスの品質を守る役割を果たしています。呼び名は各会社によって異なるかもしれませんが、いずれも商品のバグやエラーがないよう、仕様を確認しながらテストを行う点は共通です。

情報セキュリティエンジニア

情報セキュリティエンジニア別ウィンドウで開くは、その名の通り、情報セキュリティを専門とするエンジニアです。システム開発やインフラ構築などのあらゆるシーンにおいて、セキュリティ要件の検討、設計、実装、テストを行います。

今、注目のIT・エンジニアの職種を紹介

IT・エンジニア派遣の中で、注目されている職種には主に次のようなものがあります。エンジニアの中でも、社会的な需要が高まっている職種です。

AIエンジニア

すでに私たちの生活には多くのAI(人工知能)が活用されていますが、ビジネスシーンでも導入が始まっています。現在、多くの企業では業務の効率化とコスト削減を実現するため、これまで人間がやっていた単純労働をロボットに置き換える動きがあります。AIを活用した業務改善のツールは「RPAツール」として商用化されています。

また、さまざまなサービスを自動化するため、AI開発に関わるすべてのエンジニアが注目されています。具体的にはpythonなどを駆使してAIを構築していく業務になります。

ブロックチェーンエンジニア

2017年は日本でも仮想通貨ブームとなり、多くの“億り人”が誕生することとなりました。そんな仮想通貨のベースとなっている技術にブロックチェーンがあり、改ざんのリスクが極めて低いことや非中央集権のやり取りが大きな特徴となっています。近年では世界規模でブロックチェーンを活用したさまざまな開発が進められています。

データアナリスト(データ分析、BI)

近年、ビックデータを活用する企業は増加傾向にあり、その重要性はますます大きくなっています。それと同時にビックデータをはじめデータの分析を業務領域とするデータアナリストの需要が高まっています。

データアナリスト別ウィンドウで開くには、コンサル型のアナリストとエンジニア型のアナリストの2種類があり、いずれも大量のデータを解析する仕事です。ビジネスの課題解決のためのデータ分析をしたり、消費者の行動特性をデータから発見してビジネス活用したりと、高度な分析技術やマーケティング知識を必要とします。

Office365に詳しい人

Microsoft社のクラウド型グループウェアのOffice365は、クラウド型サービスの特性を活かして柔軟な運用ができることから、導入企業が増加しています。その導入支援や運用のための保守・管理、ヘルプデスクなど、Office365全般の知識や運用スキルがあるエンジニアの需要が高まっています。

PM/PMO(開発・インフラ)

開発案件が増加することで、そのプロジェクトを成功へと導くための仕事の需要も増えています。プロジェクト全体の責任者としてプロジェクトをマネジメントするプロジェクトマネージャー(PM)や、プロジェクトマネージャーの下で、プロジェクトを管理・サポートするプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、IT開発全般の知識や判断能力、進捗管理、資料作成やメンバーとのコミュニケーションスキルなど幅広いスキルが求められる上流工程の職種です。

情報セキュリティエンジニア

誰もがネットワークを通じてデジタル情報にアクセスできる時代となり、一方でプライバシー保護やネットワークの安全といったセキュリティ対策の重要度が増しています。

システムやネットワークのセキュリティについての設計や提案から運用・保守まで、エンジニアとしての広範囲の知識を武器に業務にあたります。サイバー攻撃の脅威や安定・安全運用の“砦”となる大切な業務ですが、対応範囲が広いこともあり人材が常に不足している分野とも言えます。

今後は派遣という働き方も考えよう

現在、IoTやAI、ビックデータといったIT技術の進歩により、多くの企業でエンジニアの需要が高まっている一方、エンジニアの人材不足が深刻になることが明らかになっています。

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ご自身のキャリアプランを幅広く検討できるIT・エンジニア派遣で働くことを考えてみてはいかがでしょうか?

(2019年6月現在)

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