ITコンサルタントの仕事内容とは?求められる業務経験についても解説

公開日:2021.10.18

ITエンジニア職種
 

ITコンサルタントは、顧客のビジネス課題に対してIT技術を使って解決する提案を行うのが主な仕事です。ただ、仕事内容は多岐にわたるため、「どのような業務経験が必要なのか」は仕事内容によって異なります。今回は、ITコンサルタントの仕事内容にスポットを当てながら、求められる業務経験について解説します。

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、ITシステム開発や最新技術などの専門知識を活かして、顧客の経営課題の解決方法を提案するITエンジニア系の職種です。

ITコンサルタントの業務内容や年収・将来性については、関連記事の「ITコンサルタントの業務内容は?必須スキルやおすすめの資格を解説!」についてご参照ください。

ITコンサルタントの仕事内容は幅広く、さまざまな形で顧客を支援します。具体的な仕事内容について、以降で詳しく解説します。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントの仕事内容について、8種類に分けて紹介します。

IT戦略コンサルティング

IT戦略コンサルティングは、経営戦略の実現に必要なIT投資の計画策定を支援します。IT戦略とは、「IT技術をどのように取り入れて業務の効率化や売上高向上などの経営戦略を達成するか」を長期的な視野に立って検討し、IT投資計画を立案することです。

例えば、顧客の経営戦略に沿って新しい業務機能を追加する場合、その実現方法にはいくつかのパターンがあります。ITコンサルタントは、既存システムを回収したり、新規システムを作成して既存システムをリプレイスしたりするなどの実現方法を提案します。

また、費用面・効果面の比較やスケジュール感を示し、さまざまな選択の判断を支援します。経営戦略の達成に、IT以外の手段も含めて支援する場合は、「戦略コンサルティング」としてIT戦略コンサルティングとは区別するのが一般的です。

ITデューデリジェンス

デューデリジェンス(Due Diligence)とは、投資対象の企業などの評価やリスクを調査することを指す言葉です。デューデリジェンスは、調査対象により以下の2種類に分けられます。

  • ビジネス・デューデリジェンス:組織や財務活動の調査
  • ファイナンス・デューデリジェンス:財務内容からのリスク調査

一方で、ITデューデリジェンスとは、投資先企業のIT資産の価値とリスク調査のことです。ITコンサルタントは、調査対処のIT資産に含まれる各システムについて、保守運用や改修・定期的な刷新などにどれだけの費用がかかるかの調査を行います。

システムの維持管理にかかるコストの見積もりは、実際にシステム開発・保守・運用に携わった経験が大きく役立ちます。

マネジメント支援

ITコンサルタントは、システム開発に関係する社内外のマネジメント支援も行います。具体的な仕事内容は、プロジェクトの全体管理・コスト・品質の管理や必要に応じた会議開催調整などです。

ITシステムの新規導入や基幹システムのリプレイスなど、大きなIT投資をする際は、システム開発を担当するベンダー企業の管理が必要です。IT投資を行う企業自身も、情報システム部門、システムを利用する現場部門や経営企画部など、関連部署との調整やサポートを行います。

パッケージ導入(ERP、CRM)

ITコンサルタントは、企業の経営戦略をサポートするERPやCRMなどのパッケージ製品・ソリューションの選定や導入支援も行います。

  • ERP(Enterprise Resources Planning):企業の保有資源を有効活用するための基幹系情報システムのこと
  • CRM(Customer Relationship Management):顧客関係管理のことで、顧客関係管理システムのことも意味する

パッケージを標準機能のまま導入できればいいのですが、顧客企業の業務フローや業務プロセスに合わせてカスタマイズが必要になるケースも少なくありません。また、顧客企業の業務の流れ自体を変えるほうが効率的なケースもあります。

そのため、ITコンサルタントには、導入パッケージと導入企業の業務両方の知識が必要です。特定のパッケージ製品の導入支援を専門に行っているITコンサルタントは、別職種として扱われるケースもあります。

RPA、AI領域の導入・開発支援

RPA(Robotic Process Automation)やAI領域技術の導入や開発支援も、ITコンサルタントの担当する仕事の一つです。この仕事は、技術的要素が高くシステム開発や研究の経験を活かせます。

RPAとは、これまで人間が手作業で実行していた作業を、ルールエンジンや認識技術(AIや機械学習など)を駆使して自動実行する技術のことです。これらの先端技術は、人手不足を解消するための業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまな目的を達成するために導入します。

ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントとは、企業内の経験やノウハウなどの情報を共有化して業務効率化を図ることです。情報の登録しやすさや、検索のしやすさが重要なカギとなります。ITコンサルタントは、グループウェアやコミュニケーションツールの導入および運用を支援して、ナレッジマネジメントの定着と成功をサポートします。

IT組織の高度化

企業の抱えるIT課題の解決手段の一つに、IT組織の高度化が挙げられます。ITコンサルタントは、技術的なサポートだけでなく企業の人や組織に対してITを高度に使いこなせる組織となるよう、IT組織の高度化支援を行うことも仕事の一つです。

具体的には、IT部門に対する研修、社内でのIT部門の位置づけや職務の範囲を見直し、企業のIT課題の解決をサポートします。

その他Digitalコンサルティング

Digitalコンサルティングとは、Webマーケティングやクラウドコンピューティング、セキュリティ技術など、最新技術を活用した経営課題の解決方法の提示です。最新技術により、顧客企業の経営課題を解決し、企業の競争力向上やブランディングなどを支援します。

ITコンサルタントの仕事内容から見た必要となる業務経験

ここまで紹介してきたITコンサルタントの仕事内容から、ITコンサルタントとして活躍するために必要となる業務経験について解説します。

システム開発、運用、保守経験

システム開発および運用・保守経験は、ITコンサルタントにとって必須と言っても過言ではない業務経験です。大規模プロジェクトの参画経験やチームのマネジメント経験は、プロジェクトマネジメント支援に直結します。

例えば、「システムエンジニアでこれらの経験を積んだ後、ITコンサルタントを目指す」というキャリアパスは、ITコンサルタントに至る基本的なルートです。

ITソリューションを導入、開発、使用した経験

ITソリューションの導入・開発・使用経験は、パッケージ製品導入で活かせる業務経験です。利用企業の多い有名なパッケージ製品の環境構築や初期設定、カスタマイズ対応ができれば、パッケージの導入コンサルタントとして活躍できる可能性が広がります。

クライアント企業が属する業界の業務知識

例えば、建設業なら建設業特有の工程管理、食品業界なら消費期限を含む在庫管理など、クライアント企業の業界や業態により共通した特有の業務プロセスがあります。業界の業務知識を身に付けていると、IT課題の解決提案もより的確に提示できるでしょう。

企業の情報システム部門での経験

企業の情報システム部門では、社内におけるITシステムの選定・導入・運用保守などの業務を経験できます。社内・社外の折衝窓口となり、コミュニケーションスキルやマネジメント能力も身に付くなど、ITコンサルタントに活きる経験を積むことが可能です。

ロジスティクスやCRMの案件に参加した経験

物流業界は、人手不足や荷物量の増加など、さまざまな経営課題を抱えており、IT投資による課題解決を検討する動きがあります。また、どの企業でも顧客の関係管理は必要であり、CRM導入を検討する企業は少なくありません。

ロジスティクス(物流管理)やCRMの案件に参加した経験があると、ニーズの多い物流管理システムやCRMの導入コンサルタントとして活躍の可能性が広がります。

未経験からITコンサルタントになるには

ITコンサルタントになるには、IT業界での業務経験が求められるため、未経験からいきなりITコンサルタントになるのは難しい傾向です。そのため、まずは未経験でも採用される可能性のあるAKKODiSの派遣エンジニア案件などでIT業界での経験を積み、ITコンサルタントへの足掛かりをつかみましょう。

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(2021年10月現在)

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