CE(カスタマーエンジニア)とは?仕事内容や年収・将来性について解説

公開日:2021.06.30

ITエンジニア職種
 

CEとはカスタマーエンジニアのことで、顧客に近い立場で活躍するITエンジニアの職種です。ただ、具体的な仕事内容やSE・インフラエンジニアとの違いについては分かりにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、CEの仕事内容について詳しく説明していきます。SE・インフラエンジニアとの違いや、年収・将来性、未経験からCEになるにはどうすればよいのかなど、CEの仕事を知るうえで確認しておきたいお役立ち情報をまとめました。顧客をサポートするCEの仕事に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

CE(カスタマーエンジニア)とは

CE(カスタマーエンジニア)とは、顧客のそばで、ITシステムの導入支援やハードウェア機器の選定・設置、システムの保守・問い合わせ対応を行う職種です。エンジニアの中でも顧客に一番近い立場で活躍する仕事で、フィールドエンジニアやテクニカルサポートとも呼ばれます。

SE(システムエンジニア)やインフラエンジニアと似た仕事を行うこともありますが、顧客をサポートすることができるのは、CEならではの特徴です。

CEのやりがい

CEは、顧客に一番近い立場で、ITシステムに関する感想を直接聞くことができます。また、トラブルを解決したときに「顧客の役に立った」という充実感を得られる点も、仕事のやりがいにつながります。

そのため、「人の役に立ちたい」「人とのコミュニケーションが好き」といった考えをお持ちの人は、特にCEに向いているでしょう。

SE(システムエンジニア)との違い

SE(システムエンジニア)の主な仕事は、ITシステムの構築・設計・開発です。保守運用にも対応しますが、納入したシステムの運用が軌道に乗れば、他の新しい案件に移るケースが一般的とされています。

一方、CEは、基本的にシステム開発を行いません。顧客がITシステムをスムーズに導入・運用するための支援が、CEの主な仕事です。また、ハードウェア機器の選定・設置、ITシステムや機器の保守点検を行うなど、運用支援やハードウェアに近い部分の作業も多く担当します。

SEの仕事内容については、以下の関連記事も参考にしてください。

関連記事:システムエンジニアの仕事内容とは? | 必要なスキルや仕事のやりがいについて解説

インフラエンジニアとの違い

インフラエンジニアの主な仕事は、ITシステムを構成するサーバーおよびネットワークなどのインフラ設計・構築・運用です。ハードウェア周りの仕事をする点ではCEと似ています。大きな違いは、インフラ環境の設計・構築を行うかどうかです。

CEは、インフラ環境の設計構築にはタッチせず、顧客支援・ハードウェアの保守点検などを行います。

CE(カスタマーエンジニア)の仕事内容

CEの仕事内容は、大きく分けて3種類です。どのような仕事内容かを具体的に解説します。

ITシステム・機器の導入サポート

ITシステムを新たに導入する際は、システム環境の構築と初期設定などの準備が必要です。ITシステムの導入に必要な作業のサポート、ITシステムに関する従業員への事前説明や教育も、顧客の要望に応じてCEが担当します。

ハードウェア機器の選定・設置

ITシステムを導入し、社内に必要な環境を構築する際に必要となるハードウェア機器の選定と設置を行うのもCEの仕事です。導入するITシステムとインフラエンジニアが設計したインフラ環境、そして顧客の予算などをすべて加味して、最適なハードウェア機器を選定します。

ITシステム・機器の保守点検

CEは、ITシステム稼働後もITシステムやハードウェア機器の保守点検を行います。故障が発生した機器の取り換えも、CEの仕事です。システム稼働後しばらくは、トラブルも多いため、顧客先に常駐して保守運用を実施します。

システムの稼働が落ち着いてきたら、回数を決めて定期的に顧客先を訪問して対応するのが一般的です。

CE(カスタマーエンジニア)に求められる3つのスキル

CEの仕事内容から求められる3つのスキルについて解説します。

コミュニケーション能力

CEは、顧客に説明することが多いため、IT系の専門用語を極力使わずに顧客へ分かりやすく説明する表現力が求められます。IT系の仕事に携わっていると、つい専門用語を多用してしまうエンジニアも少なくありません。

CEは、常に顧客の立場に立ち、分かりやすい表現で顧客をサポートする必要があります。また、相手のニーズや困っていることを察し問題点をヒアリングしながら問題解決に導く力も必要です。

コミュニケーション力があれば、トラブル発生時の情報収集や現在起こっていることの原因追及などにも役立ちます。

取り扱う製品に対する知識

保守対象のITシステムや、環境を構成するハードウェア機器に対する知識を学び、常に顧客の質問には答えられるようにしておくことも大切です。資料からの知識はもちろん、実務経験で得た知識を蓄積することも、スキルアップにおいて重要な要素となります。

トラブルへの対応力

特に、社内のシステム環境構築時やシステム稼働直後は、多くのトラブルが発生するため、迅速な対応力が求められます。そのため、原因を特定するための情報収集力と論理的な思考力、顧客へのトラブル対応にかかる日数の報告と調整など、トラブル対応にはさまざまな力が必要です。

CE(カスタマーエンジニア)の年収と将来性

CEになるかどうかを検討する際に、知っておきたいCEの年収と将来性についても確認しましょう。

CEの平均年収はSEより若干低め

ITスキル研究フォーラム(iSRF)が発表した「全国スキル調査 2016 スキル調査レポート」によると、CEの平均年収は489万円で、全体平均の502万円に比べて若干低い数字です。

将来性は?他の職種へのキャリアアップを視野に入れよう

AIの発達によるトラブル対応の自動化や、クラウド化による環境構築作業の削減などに伴い、「CEの仕事は将来的に減少するのではないか」という予測もあります。しかし、ITシステムを使用するのは最終的に人です。

そのため、何らかの形で対面でのサポートは残るとも考えられます。ただ、高収入を目指す場合には、IT関連の職種の中でも高収入の職種へのキャリアアップも検討しましょう。マネージャー職や品質管理、コンサルタントは、高収入を得られる職種の例です。

また、SE・インフラエンジニアとして専門性を高めることでも高収入が期待できるでしょう。

CE(カスタマーエンジニア)になるには

未経験の人がCEになるには、どうすればいいでしょうか。CEは、未経験からチャレンジしやすいかどうかも含めて解説します。

CEになるためにはまずSEとしての経験が必要

結論から言えば、CEは未経験では難しい職種です。なぜなら、ハードウェアとITシステム両方の知識が必要で専門用語をわかりやすく説明するスキルが求められるからです。まずは、システム開発を行うSEや、Webシステム開発を行うWebエンジニアなどで、ITシステムに関する基礎的な知識を身に付けることが必要になります。

経験を積むのに適当な職種としては、SEやWebエンジニアなどがおすすめです。ITエンジニアの各職種の仕事内容については、以下の記事でも紹介していますので参考にしてください。

関連記事:IT・エンジニアってどんな仕事?IT系エンジニアの職種紹介・適性について解説!

未経験の場合は、まず派遣エンジニアから応募をして業務経験を積むことも検討しましょう。未経験の方がどうやって派遣エンジニアになったかについて、アンケート調査がありますので参考にしてみてください。

関連記事:【アンケート調査】未経験から派遣エンジニアになるには?メリットデメリットも紹介

未経験の場合は電気工事系や接客のスキルを活かす

CE未経験者でも役立つのは、「電気工事系」「接客」といったスキルです。ハードウェア機器などの設置で役立つ電気工事系の資格を持っている場合、資格を活かせる仕事内容であれば、IT知識はそれほど問われずに採用となるケースもあるでしょう。

接客系のスキルがあり、コミュニケーションが得意な場合は、独学や案件経験の積み重ねでIT知識を身に付けることで、採用される可能性が高まります。

IT知識を身に付けるためにAKKODiS Academyを活用

IT系の仕事が未経験の場合は、基礎的なIT知識を身に付けることができるAKKODiS Academy(アコーディス・アカデミー)別ウィンドウで開くを活用するのもひとつの手段です。AKKODiSの派遣・紹介予定派遣が運営する研修プログラムAKKODiS Academyでは、ユーザーサポートやヘルプデスク、インフラなどCEにも役立つ無料講座が多く用意されています。

また、新技術のITリテラシー基礎や、問題解決スキルに関する講座もおすすめです。応募して認められた場合のみ受講できますが、受講料無料で本格的な講義を受けられます。

CE(カスタマーエンジニア)に求められる資格

CEは、資格がなくてもできる仕事です。ただ、ハードウェア機器を扱う場合は必須となる資格があります。また、資格取得の勉強そのものが役立つ資格もありますので、順番に紹介していきます。

電源・通信の保守点検を行う場合電気工事系の資格が必要

CEの仕事内容の中には、電源・通信の保守点検があります。案件によってこれらの仕事をする場合は、「電気工事士」「認定電気工事従事者」「工事担当者」のいずれかが必要です。

そのため、電源・通信の保守点検もできるようになりたい場合は、いずれかの資格を取得しましょう。

基本情報処理技術者と応用情報技術者も取得を

基本的なIT知識を得るためには、国家試験である情報処理の「基本情報処理技術者」と「応用情報技術者」もおすすめです。

CEになるならSEから始めよう

CEの仕事内容は、顧客に近い立場で行う「ITシステムやハードウェア機器の選定・導入支援・運用や保守点検」などです。ITシステムとハードウェア機器両方の知識が求められるため、IT業界未経験からいきなりCEになるのは難しいでしょう。

まずは、AKKODiS Academyなどを利用して独学で勉強しながら、派遣エンジニア求人などでSE経験を積み、CEに挑戦するという順番がおすすめです。AKKODiSでは、さまざまな職種の派遣エンジニアを募集しています。

短期間で未経験者でも参加できる案件に応募して、業務経験を積んでみてはいかがでしょうか。

(2021年6月現在)

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