独学でエンジニアになるために必要なスキルと勉強方法を解説

公開日:2020.12.18

エンジニアの働き方
 

エンジニアの仕事に興味を持ちつつも、高度な知識が必要とされるため気後れしてしまう方も多いのではないでしょうか。また、エンジニアのスキルを身に付けるためにスクールなどを活用するか、独学で勉強するかという悩みを抱えている方もいるでしょう。

この記事では、独学でエンジニアになることができるのか、エンジニアに求められるスキルはどのようなものなのかについて解説していきます。また独学でエンジニアを目指す際の勉強方法やポイントなどもご紹介します。

エンジニアに独学でなれる?

結論から言うと、独学でもエンジニアになることは可能です。エンジニアの求人には未経験可のものが多く存在しているため、比較的採用ハードルが低い場合もあります。そのため独学で知識を身に付けて、エンジニアとして就職することができるのです。

未経験可の求人が多い背景には、IT業界の慢性的な人材不足があります。IT技術の進歩と普及にともない市場は年々拡大していますが、その技術を担う人材は常に不足しています。企業はこうしたエンジニア不足を解決するため、未経験者でもできる業務を切り出して募集するなどの対応をしています。

もし独学でエンジニアを目指す場合は、実際に仕事に活かせるようなスキルを身に付けなくてはなりません。どこまで勉強するのか、いつから就職活動をするのかなどの学習計画を立て、目標をもって取り組むことが大切です。特に、何がやりたいのか、そのためにどの言語を学ぶ必要があるのかを明確にしておくと、スムーズに学習を進められるでしょう。

エンジニアに求められるスキル - 独学でできる部分とは

エンジニアとして働くためには、おもに以下の4つのスキルが必要となります。

  • ITの基礎知識(独学可能)
  • プログラミング(独学可能)
  • 設計(部分的に独学可能)
  • ロジカルシンキング(独学可能)

ITの基礎知識

まずITの基礎知識については、日々の情報収集を欠かさないようにすることで独学可能です。

開発現場では、専門用語でのやり取りが増えますが、こうした単語をある程度は理解しておかないと、現場でついていくのが難しいかもしれません。

しかし、少し難しい単語なども書籍やWebサイトに詳しい解説が載っている場合が多いので、うまく活用しましょう。また日頃からIT系のニュースサイトなどにも目を通すことをおすすめします。

プログラミング

次に、プログラミングのスキルですが、これも独学でスキルを身に付けることができます。学習サイトやスクール、書籍など手段も豊富なので、自分にあった形で、継続して学べる環境を作ることが大切です。

なお、一般的に未経験エンジニアは、現場でのプログラミング経験はないが、個人で開発したことがあるという人を指します。まずは自分で手を動かしてプログラミングを覚えましょう。

設計

3つ目の設計とは、クライアントの要望を分析し、システム全体の設計をする作業です。

設計には基本設計と詳細設計があります。基本設計は、システムの大まかな設計を決める作業で要件定義を元に落とし込む上流工程の作業です。プロジェクト全体を把握し、画面と画面のつながりや、全体の流れなどをイメージして作る必要があるため、基本的には独学するのは難しい部分でしょう。多くの場合、エンジニアとしての経験を重ねて、データベースやネットワークなどもある程度理解してから、徐々に基本設計に携わっていくことになります。

しかし、詳細設計は独学でもある程度学ぶことができます。詳細設計はシステムの細かな挙動を設計する部分で、自分で手を動かしてプログラミングをしていると、徐々にわかってくる部分でもあります。

独学で詳細設計を完璧できるようになることは難しい場合が多いものの、書籍などを元にある程度作れるようになることは可能です。

ロジカルシンキング

エンジニアにとって、ロジカルシンキングは非常に重要なスキルです。システム開発の現場では、エラーが起きた際にその原因を見極めて、スムーズに解決することが求められます。こうした問題に対処する際に、物事を論理的に考える力が必要となるのです。

ロジカルシンキングは、独学でも訓練を重ねることで身に付けることができます。書籍もたくさん出ており、Webサイトにも多数の情報が掲載されています。また動画などもでているので、これらを参考に自身で勉強することが可能です。

ただし、単に書籍や動画を見ただけではロジカルシンキングは身につきにくいでしょう。そのため、書籍などの情報を元に日々トレーニングしていくことが必要です。

例えば、ある物事に対して、筋道を立てて論理を展開してみたり、三段論法を使ってみたりして、自分の中で意識的にロジカルシンキングを実践してみてください。また、ロジカルシンキングを実践するためのアプリを活用する方法もあります。

ただ情報を吸収しただけでは身につかないのがロジカルシンキングです。自分から積極的に実践の場を作りトレーニングしていきましょう。

ここまでエンジニアに求められるスキルを紹介してきましたが、紹介したように全部を独学で身に付けられるわけではありません。そのため独学でエンジニアを目指す場合は、ITの基礎知識とプログラミングを重点的に勉強するのがよいでしょう。

また、エンジニアは顧客やチームとさまざまなやりとりを行ないます。そのためコミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルも重要になりますが、これらは独学で学ぶのは難しいため、実際の現場で培っていく必要があります。

なお、プログラミングの基礎知識や学習方法について詳しく知りたい方は「プログラミングとは?プログラミングを習得して今の仕事や今後のキャリアに活かす方法」も合わせてご覧ください。

独学でエンジニアになるための勉強方法

独学でエンジニアを目指す場合に、勉強方法はおもに3つのパターンがあります。自分に合った勉強方法を取り入れていきましょう。

書籍を利用した独学

書籍はテーマに沿って勉強することができるため、自分が学習したい分野の知識を深く学ぶことができます。書籍に書かれている内容は信憑性が高く、知識を体系的に身に付けたい場合におすすめです。

書籍で学習する場合は、同じテーマの本をいくつも読む必要はありません。まずは実際に手を動かしてみて、わからない部分を書籍で補うようにすればスムーズに学習を進めることができます。

Webサイトを利用した独学

Webサイトにも多くの情報が存在します。最近は無料で利用できる動画サイトに教材となる動画が多数アップされているので、積極的に活用しましょう。動画は文字に比べて時間当たりの情報量が多いため、効率よく学ぶことができます。

またタイピングしながらプログラミングを学べる無料サイトもあります。ゲーム感覚で楽しみながら学ぶことができるため、モチベーションの維持にも効果的です。

手を動かすのが一番重要!

上述の書籍、Webサイトを利用した学習で少し理解できるようになったら、自分の手を動かして書いていくことをおすすめします。どんな簡単なコードでも、まずは見様見真似で手を動かすことで、徐々に理解が深まっていくはずです。

最初は見ながら手で打ち込んでいたコードも、徐々に見ずにできるようなるでしょう。そうなれば、一歩前進。書籍のコピーで作ったコードをカスタマイズしていくタイミングです。色を変更してみる。幅を広げてみる。処理を増やして見るなど、コピーしたコードの一部を修正してみて、理解を深めていきましょう。

プログラミング初心者は、ソースコードを書けば書くほど上達するといわれています。そのため、簡単なコードでも自分の手でやることには意味があります。慣れてきたらぜひ自分の手でコードを書いてみてください。

なお、コーディングについて詳しく知りたい方は「コーディングとは?プログラミングとの違いについて解説!学習方法と活かせる仕事」も合わせてご覧ください。

独学でエンジニアになるための勉強をする際のポイント

独学でエンジニアの勉強をするには、次の3つのポイントを意識しておくことが大切です。

目標を決める

独学では、モチベーションを維持するのが大変です。一人でコツコツと勉強を進めることに飽きてしまったり、達成感が感じられずにモチベーションが下がったりすることも少なくありません。

モチベーションを維持するには、明確なビジョンを持つことが効果的です。作りたいものや資格取得など、プログラミングを学ぶ目的をはっきりさせておくとよいでしょう。モチベーションを維持し、挫折しないように学習することが大切です。

プログラミングを学ぶ目的はできるだけ具体的なものにし、かつ細分化して、一つずつクリアできるようにしておきましょう。

例えば、Webサイトを制作するには、フロントエンドとサーバサイドを構築する必要があります。そのため、まずはビジュアルでわかりやすいフロントエンドから学習をスタートする、といった流れです。

さらにフロントエンドを細分化して、比較的習得しやすいと言われているHTMLとCSSから着手すると決めて、気に入ったサイトを見ながらHTMLとCSSの模写を10回行なうなど、すぐにクリアできる目標を置いておくとモチベーションを維持するのにも効果的です。

目標から必要な言語を選択する

学習するプログラミング言語は、自分の目標を達成するのに必要な言語を選択するようにしましょう。プログラミング言語は、開発内容によって適切な言語があります。

例えば、アプリケーションの開発がしたい場合は、SwiftKotlinJavaなどを選択する必要があります。また最終的にAIや機械学習がしてみたい場合、PythonやRが候補にあがります。

何をしたいのかという目標が定まらない状態で言語を選ぶと、後々目標を持ったときに勉強をやり直すことになるかもしれません。言語の選択は、よく検討するようにしましょう。

どの言語を選ぶか迷っている場合は、「おすすめのプログラミング言語を難易度別に一覧で紹介!」でも解説をしています。ぜひ参考にしてください。

勉強する工夫をする

独学では、自分が勉強を継続できるような工夫をすることが大切です。どれほど立派な教材を準備しても、学習を継続できなければスキルは身に付きません。また目標を身近に置いても、毎日コツコツ勉強できるような環境を整えなければ、成長するのは難しいでしょう。

そこでおすすめするのが、ルールを決めて取り組むことです。

例えば、毎日22時から23時の間はプログラミング時間にすると決めたり、時間を忘れて取り組んでしまうという方はアラームをセットしたりして、メリハリをつけて学習するとよいでしょう。

エンジニアは独学でも目指せる!

未経験から独学でエンジニアを目指すのは、ハードルが高く感じられるかもしれません。しかしIT業界ではエンジニアが不足しており、未経験者を歓迎する求人も多く存在しています。

エンジニアとして働くためにはITの基礎知識やプログラミング、設計やロジカルシンキングなどのスキルが求められます。基礎知識やプログラミングは独学でも身に付けやすいため、書籍やWebサイトを活用して重点的に勉強するとよいでしょう。

独学での学習はモチベーションの維持が課題です。自分が何を作りたいのか、何をしたいのかという目標を明確にし、学習を継続できるように工夫することが大切です。

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(2020年12月現在)

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